« 2008年10月 | トップページ | 2008年12月 »

2008年11月

2008/11/30

アジア映画スパイラル

先月渋谷で仔仔の「僕は君のために蝶になる」を観て以来というもの、ちょっとしたアジア映画スパイラルに嵌っています。

アジア映画と言っても専ら中国・台湾映画ばかりで、要は観た作品に出ていた気になる役者の作品を次々に観てゆくだけの話なのですが。

まずは、仔仔目当てに観に行った映画「僕は君のために蝶になる」に仔仔の父親役で出ていたヨウ・ヨンさんの演技に惹かれ・・

C615267954

次に彼のプロフィールを知ろうと開いた、「僕は君のために蝶になる」のパンフに書かれていた公開中の「レッドクリフ Part1」を観に行き・・

U1584p28t3d2081922f326dt20080630210

ヨウ・ヨンさん目当てで観に行った「レッドクリフ Part1」では、友人イチ押しのフー・ジュンの格好良さに思わず納得!と言うことで、彼のフィルモグラフィーの中から一番気になったバイセクシャル役を演じたという映画「藍宇 LAN-YU」をTSUTAYAで借り・・・

Lanyu

そして今度は、映画「藍宇 LAN-YU 」でタイトルロールを演じた俳優リュ・イエの繊細な演技が気になり、その彼が出ている最新作「王妃の紋章」を借りるべくTSUTAYAに走りました。


Photo150958

※上の写真右端のぐったりしている第一王子がリゥ・イエ

こうなって来ると、まさにアジア映画スパイラル!

今まで邦画以外のアジア映画を殆ど観たことの無かった私にとっては、まだまだ開拓の余地のある宝の山のような分野なので、それはそれは面白い位に嵌ってしまいました。

中でも色んな意味で掘り出し物だったのは「藍宇 LAN-YU」。
実はこの作品、日本ではビデオタイトルが「情熱の嵐」という思わず西城秀樹の歌声が頭の中を駆けめぐってしまいそうな(古っ!!!)邦題を付けられてしまっているので、TSUTAYAで見つけた時は思わず吹き出してしまいました(笑)coldsweats01
内容的には情熱といっても激しさよりも静かな熱という方が相応しい切ない話で、元はネット小説だったものを映像化したようです。
当時の中国本土ではバイセクシャルを取り上げた内容が物議を醸し、結局最後まで公開を見合わせられたらしく、逆に比較的「性」のあり方に寛容な台湾やカンヌなどの海外の映画祭で高い評価で受け入れられたという作品です。(「ラスト・コーション」の主演女優タン・ウェイのCMの一件でも判るように、今も当時と大して変わらないとは思いますが・・)

日本映画でも、「きらきらひかる」など同性愛を取り上げた作品で好きな映画はあるのですが、欧米作品以外でゲイムービーを観たのはこれが初めて。
「どうしてあの時お前を手放したのだろう・・」など定番の甘い台詞はあるものの、全体的にはドロドロせずサラリとした印象の関係が描かれています。
決して少女漫画に出てくる様な美男同士の関係が描かれている訳ではありませんが、大人で分別のある二人が互いに相手を深く思いやる姿は、観ているだけで胸の奥が痛くなる思いがします。
台湾のアカデミー賞とも言われる台湾金馬奨(第38回)で、主演の二人が最後まで主演男優賞を競ったという逸話を残した程、力のある俳優たちだけに2人の競演は本当に見応えがありました。

それに引き替え、そのリゥ・イエ目当てで観た「王妃の紋章」は人間のエゴの見本市のような内容に少々げんなり・・
「レッドクリフ」にしても「王妃の紋章」にしても、内容はギリシャ悲劇やシェイクスピアの戯曲そのもの。
「レッドクリフ」の一人の女性の美しさに惹かれ、力ずくで奪還せんとした事が大きな戦へと繋がっていく所はギリシャ悲劇「オレステス」だし、何とも不条理な家族の殺戮劇が繰り広げられるのはシェイクスピアの「タイタス・アンドロニカス」との類似点を感じました。
いずれにしても、これ程までの激しい感情のぶつけ合いは日本人の持つ生理にはないんじゃないかなぁ?どうだろ?

最後の「王妃の紋章」の次は・・と言うことで、第二王子役のジェイ・チョウ繋がりで「言えない秘密」を観たい!とを検索したのですが、無情にも私の家の近くでは軒並み公開終了。
これはDVD化されるのを大人しく待つしかないか・・weep

Wallpaper01_1024

そして、これらのアジア作品を観ながらついついやってしまう事は、「この作品なら仔仔に合うのはどの役だろう」って考えるプチ妄想。
「藍宇」ならば当然藍宇役だろうし(・・となると相手は誰?)、「王妃の紋章」だとやっぱり心優しく繊細な第一王子なのかしら。

ある意味結果的においしい第三王子役は、TBSドラマ「愛なんていらねぇよ、夏」の奈留のイメージからか、どうも藤原君(彼の15歳の時限定だけど)を重ねてしまったわ。
こんな事考えていたら、「愛なんて・・」を久々に観たくなっちゃったなぁ。
あれっ?これもスパイラルの一種なのかしら?

| | コメント (4)

2008/11/28

Christmasの足音 Part2

P1010624

Christmasの飾り付け第二弾ということで、玄関ホールのディスプレイを変えてみました。
テーマは素朴な手触りのするクリスマス・・っと言ったところでしょうか。

「素朴」ということで何年か振りに引っ張り出された、中央の蔓(つる)で出来ているクリスマスツリーは、10年程前に仕事でお世話になったデパートのクリスマスのディスプレイ用だったものを譲っていただいたものに、新しく買い足したオーナメントを結びつけたもの。
長いこと自室の本棚に飾っていて、エアコンの風やらで乾燥し結構傷みは激しかったのですが、久々に引っ張り出し手を加えたら、まだまだ活躍してくれました。
お化け松ぼっくりや、洋梨のオブジェはどれも、昔むかしに仕事の小道具で揃えたものですが、久々に表舞台に出してあげられて良かった♬

暖かみのある雰囲気を出すために、地元の生地屋さんで安く手に入れたチェックのウール生地でアジアンテイストのベンチを覆ってカモフラージュ。
はじめは手持ちの小物をこれでもかと飾り込んでみたところ、ウルサいだけでまとまりが無く見えてしまいゲンナリsad、その後周りに散らした小物を自然素材と赤、白と条件を絞り統一感を出してみると、それなりに形になったようで一件落着。
布一枚敷いただけですが、去年のディスプレイとは全く違う趣があって自画自賛、結構気に入っています。

今回のポイントは向かって左の三匹の豚さん。
これは伊勢丹で今年新しく購入した新顔小物なのですが、「クリスマスに豚??」と店頭で疑問に思ったので店員さんに確かめてみると、店員さんもまさかこんな質問されるとは思ってもいなかった様子で困り顔。「すぐに担当者に聞いてきます!」というのでそこまでは・・・と丁重にお断りし、「キリストが生まれたのって馬小屋?豚小屋?」と一人でぶつぶつ買い物を続け、端から見たらただの怪しい女です。(もちろん馬小屋です)
でも、あまりに可愛いので即お持ち帰り決定!
昨日、地元の雑貨屋さんで見つけたツリー型のキャンドルも、何処となく手作り感があってかなりのお気に入り。
もったいなくて、とても火なんか着けられません。

12月に入ったらすぐにお正月の用意で、ホントあっという間の年末。
忙しい、忙しい・・・と言いながらも、こうして季節の行事に追われるこの時期が、結局一年の中で一番好きなのかも知れないと最近気づきました。

では、とりあえず Merry Christmas♬

| | コメント (0)

2008/11/27

忘年会その壱 ちゃんこ鍋の巻

12月を目前にしてそろそろ忘年会シーズン突入・・と言うことで、私も一足早く小規模ながら忘年会に参加してきました。
働いていた時は仕事のお付き合いのある人たちと、忘年会など関係なく事あるごとに呑みまくっていたので、特別に忘年会を意識したことは無かったのですが、仕事から離れると不思議と忘年会というものに特別な意味があるように思えきて、忘年会のお誘いがあるとついつい心躍ってしまいます。

その忘年会の第1弾として、フジロックでもお世話になっているデザイン会社の常務でもあるROCK好きのSさんの声掛けで、両国にある「割烹 吉葉」にてちゃんこ鍋を囲もうという事になり、同じフジロック仲間の女子チーム3人と共にいそいそと出かけて参りました。
場所はJR両国の駅から歩くこと10分くらい。
下町特有の匂いのする住宅地の中に忽然と真っ白な建物がライトアップされていて、遠目からでもすぐわかる豪奢な佇まいにワクワク。

Ca390223


建物に圧倒されつつ中に入ると、突如拍手と共にえらく盛り上がっている店内に2度ビックリ!何だ??今日は結婚式の2次会と相席か??と思いつつ案内されるまま席に着くと、目の前に現れたのは本物の土俵!

Ca390219


不景気な世間の風が全く嘘に思えてくるほど、活気に満ちて景気の良い空気が流れる店内に圧倒されている私たち女3人に、相撲にも詳しいS常務よりの説明でこの店が元々は昭和の美男力士として有名だった第43代横綱・吉葉山が興した宮城野部屋の稽古場だった建物をちゃんこ屋さんに改装したものだとわかり一同納得。
しかも拍手が起こっていたのは別に結婚式の2次会だったわけでは無く、このお店の名物アトラクション「相撲甚句」の実演が始まった事で盛り上がっていたことが判明し、独特な節に合わせて詠われる相撲甚句に注文するのも忘れ暫し聞き入ってしまいました。

写真の土俵上の男の方のお腹の辺りに旗のように刺さっているのは(見えないか・・)所謂おひねり。
割り箸に挟んで(大体1000円が相場のよう)土俵に持っていって4人居る甚句を詠まれる方に渡すシステムのようでした。
常連さんに紛れて私も・・・と思って気後れしているうちにアトラクションも終了。次回は渡したいね!と言っているうちにいつの間にか注文してくれていたコースの料理が運ばれてきました。

コースは先付け、刺身、焼き物、酢の物、メインの鍋、デザートといった内容で、お楽しみの締めは雑炊かうどんを選べるという事でした。
ちゃんこ鍋やさんに隣接して、カウンターのお寿司屋さんもあるだけにお刺身はどれも美味しくプリップリでした。
乾杯を重ねるうちに盛り上がり、毎年このメンバーで忘年会をちゃんこ屋さんで行うという事に急遽決定!するとS常務がバッグより徐に手帳を取り出し、開いたページにはちゃんこ屋のリストが・・!なんて手回しの良い常務でしょ。
そのリストの中から来年のお店も決まり、来年の11月にまた両国で鍋を囲むことを固く誓い合いました(笑)

乾杯と言えば、先日お腹に赤ちゃんが居ることが発覚した親友も参加していた為、
彼女は最初の乾杯の一口だけですぐにノンアルコールに変更。
そこで、彼女が頼んだのがコレ!スワンサイダー。

Ca390222


グルメなS常務は自宅でもこのサイダーをお取り寄せしていたそうでして、常務のお子さん達はこれを飲んだら○○矢サイダーは飲めない!と言いだす始末で、○○矢サイダー好きの私はそれなら一口と飲んでみると、なるほどすっきりした後口で、お酒の席で飲むジュースとしては甘ったるくないので、料理の味の邪魔をせず大人なサイダーといった感じでした。
他では見かけたことがないので、行かれた際には是非オススメです!

そうこうしているうちにメインの鍋登場!
食い気に気を取られ、またもや綺麗に並んでいる状態での撮影はできませんでしたが、さぁ食うぞ!というタイミングでの一枚を押さえました。

Ca390220


下にあるお野菜が全く見えないほどの大量の肉&魚介類にさすがはちゃんこ鍋!と自然とテンションup!

しっかりとお出しの出たスープが染みた油揚げを一口食べると、一気においしさが口いっぱいに広がり思わず幸せ〜♪一杯に。
お店の人オススメのマグロのお団子も絶品でした。
朝からこの為に控えていたため、もう箸が止まらず気がつくと鍋の中は綺麗になっていて、黒一点のS常務も我々の食べっぷりの良さに満足気でした。

最後の締めはもちろん雑炊!
たっぷりと美味しいだしを吸った雑炊を最後の最後まで美味しく頂きました。
身体もぽかぽかと温まったところで閉店ですの声が。

このメンバーの集まりの恒例になりつつあるお土産交換をあわてて済まし、お店を後にしました。
今日の私はうっかりそこまで気が回らず、前々から約束していた筑紫さんの追悼番組と、伊勢崎氏が出演した世界で一番受けたい授業のDVDと、ジョアンナ・ウォンのCDを友達にプレゼント。
その彼女からは昼間神楽坂で入手した、売り切れ必死の亀井堂のクリームパンと、猫好きな私のためにメモホルダーをもらい、S常務からはS常務の裏の顔「編集長さん」プレゼンツのコンピレーションCDを!
フジロックの毎に何枚か頂くうちにすでに10枚以上ある噂の編集長さんからの贈り物(笑)。

Pap_0224


S常務曰く「イギリス経由で編集長さんから僕のところに届くので、今度はいつ届くのか判らないんだよね」とニヤリ。
ホントこんなにチャーミングな53歳はなかなか居ません!

最後の最後まで楽しい一夜でした。
また来年。

| | コメント (0)

2008/11/23

Christmasの足音

毎年、12月に入ってから手を付けているクリスマスの飾り付けですが、今年はいつもより一足早く飾ってみました。
・・とは言っても、我が家は大きなクリスマスツリーを飾る習慣は無いので、玄関周りを中心にいつも通りな感じで。
でも、今年から家に隣接している貸室の玄関もクリスマス仕様にしてみました。

P1010619


毎年、オーナメント類は11月の半ばにオープンする伊勢丹のクリスマスステーションで揃えるのですが、今年の伊勢丹は北欧がテーマのようで暖かみのある可愛らしいものが多く店頭に並んでいました。
ささやかながら我が家でも、テーマを毎年何となくはイメージして飾り付けをしていて、ある年は「ナチュラルなChristmas」だったり、ある年は「赤」を基本色にしたりして楽しんだりしています。
しかしそうは言っても、デパートのディスプレイの様に毎年その為に買い換えるという訳にはいかないので、毎年何かを付け足したりしてマイナーチェンジをしながら使い回している感じですが・・・

今年は真っ黒やシルバーのオーナメントで揃えてゴシックなクリスマスも良いなぁとか思っていたのですが、予算の関係でそうもいかず一手間加えて素朴な可愛いイメージのクリスマスにしようと決めました。

P1010623_4



外回りの飾り付けのメインは玄関のクリスマスリース。

3年前に購入した真っ赤なリースに、毎年何かしらプラスして使い回しをしているのですが、今年は糸で繋がったモビールのようなフェルト製の雪の結晶のオーナメントを1つずつバラして、煮出した紅茶で染めてジンジャークッキーのような雰囲気を出し、リースにグルーガンで飾り付けてみました。
色ムラになっているのは、染めた後に洗濯ばさみで挟んで干していたら、何故かそこだけ色が抜けてしまった為です(涙)
でも、去年購入した星のオーナメントとも色のトーンが合っていて思いの外可愛い雰囲気に仕上がり満足、満足。

P1010615


他には、先日クリスマス仕様に植え替えた寄せ植えのコニファーに小さなクリスマスリースを飾ってミニサイズのツリーに見立てて楽しんだり、ポストの横の愛猫るぅたんのネームボードには少しシックなリースを掛けてみたりしました。

P1010614_2

最後に裏口のドアには、去年キャンドルスタンド用に購入したゴールドのリースに何かのオマケでもらった金の鐘を合わせ、ゴールド一色にまとめてみたりと、新しく購入したのは貸室のツリー型のオーナメントだけですが、それなりに可愛くまとまったような気がします。

P1010620


12月に入ったら玄関を入ってすぐのいつもの場所に、クリスマスの細々したものを飾りつければ今年のクリスマスの準備は終了。
飾り付けをしながら、敬虔なクリスチャンのヴァネスの家の飾り付けは、それこそ白一色とか黒一色とかスタイリッシュにまとめてる感じかなぁ・・と、さぞかし綺麗なのだろうと想像したりしながら、にわかクリスチャンの私は一人ニヤニヤ。

来年はベッドサイドのスタンドを持ち込んで、黒一色のゴシッククリスマスに挑戦しようかな〜♪

| | コメント (4)

2008/11/22

ライトとボジョレーヌーヴォーと爆弾発言の夕べ

11月の半ば過ぎると町中でやたら目に付くようになる「ボジョレーヌーヴォー」の文字。
昔は「猫も杓子もボジョレーヌーヴォーってアホじゃなかろか、新米入荷!みたいなもんじゃん!」と、どちらかというと斜に構えていたのですが、数年前にある場所で行われるボジョレーヌーヴォー解禁のイベントに友人に誘われてからというもの、いつの間にか毎年この時期を楽しみにするようになっていました。

ある場所というのは、池袋からほど近い目白の住宅地の中に建つ「自由学園 明日館」という国の重要文化財にあたる建築物でして、元は大正10年に女学校として建てられた施設です。
この建築物は昔の帝国ホテルを設計した世界的有名建築家であるフランク・ロイド・ライトと、その弟子である遠藤新の手によるもので、現存するライトの作品の中でも、日本の建築史における重要な歴史的建築物の一つと言われるものです。
大きな戦争を経て年代を経るに連れ建物自体の傷みも進んでいたところ、重要文化財に指定されたのを機に実に2年という期間をかけ、丁寧に保存・修理工事を施し、こうして一般公開をされるようになったそうです。

P1010602_3



これがライトアップされた明日館の正面からの図。
直線的な意匠がライトらしく、美しさと潔さのようなものを感じる佇まいに来る度に感動してしまいます。
後方に見えるラブホの無粋な看板さえなければ、更に素敵なんだけどねぇ・・・
文化財なんだから、設置する時点でよ〜〜〜く考えろ!ラブホ!

P1010585_4





このフロアスタンドもライトの作品。
結構ドラマの小道具とかに使われてるので、この照明なら知ってる!って人は結構いるんじゃないかしら・・?

数年前、池袋の百貨店に勤めている友人がたまたまこのボジョレーヌーヴォーのイベントを知り、その時はライトの設計した建物の方に興味があって、それ見たさにいそいそと駆けつけたのが最初でした。
それとボジョレーヌーヴォーの解禁もさることながら、実は「ラクレット」と呼ばれるホール状のチーズを半分にし、その表面を熱で炙ってトロ~リと溶けた部分をパンやボイルした野菜に付けて食べるという、チーズ好きには何とも言えない食べ物に惹かれたのも大きいかな。
その後は回を重ねるごとに年々バージョンアップした様で、今年はラクレット以外にもソーセージやピクルス、学園の関連施設で作られたチーズなど、おつまみのバリエーションも増え楽しさ倍増。

P1010590_4






P1010589

このチーズのとろける様を見ているだけでも幸せな気分!我が家にもこの設備が欲しい!!!!
夏に行われる「一夜限りのビアガーデン」にも参加しましたが、こちらの企画するイベントは本当にハズレがなくて、毎回お知らせが楽しみになります。

去年は暖炉のあるホールの方で頂いていたのですが、今年はホールでノルディック民謡のミニライブがあると言うことで、昔は食堂だったという中二階の広間で頂きました。
ここの調度品も勿論全てライトとその弟子の遠藤新によるもので、修理に合わせ作られた復刻版に混ざってその当時のままの物も置いてあり、ここぞとばかりにオリジナルのテーブルで乾杯をしようと陣取りました。

ようやく席に着き乾杯をしたところで親友の旦那が遅れて登場し、再び乾杯。
どうやら、我々に渡そうと持参するはずの絶品の柿を自宅に忘れたので、取りに戻ってくれたのだとか、Thanks!
そして登場するなり「爆弾発言していい?」と一言。
おやおや何かしらと耳を傾けると、「子供が出来ちゃった」と余りにも予想外の爆弾発言に一同しばし言葉を発することも出来ず、ワインの味も分からなくなる始末(笑)
20代のカップルならビックリもしないけど、年齢的にももちろん出産適齢期外だし、結婚10年目!しかし同棲期間はNewYorkの時代を含むと20年近くなるカップルなだけに、てっきりこのまま子供を持たず友達夫婦で一生を過ごすとばかり思っていたので驚きです。
一瞬の沈黙の後は一気に喜びが込み上げてきて、みんな口々におめでとうの嵐!
今まで作らないと決めていたわけでは無いけれど、長いこと機会に恵まれず、子供好きなだけに人の子供の世話ばかり焼いていた親友が、今度は本当に母親になるんだと思うと、何だか感慨に浸る間もなく涙腺がゆるんでウルウルっと・・
しかし、親友が次の瞬間ポロっとこぼした「でも、予定日が来年の7月末なんだよねぇ・・もろにフジロックとぶつかっちゃうのよ〜」という何ともROCK馬鹿の呆れた一言で現実に戻され、「馬鹿〜っ!それどこじゃないでしょ〜!!」と窘められる新米妊婦がここに一人(笑)
来年は1回お休みして、再来年は私のRadio Flyer(フジロックの荷物運搬用のキャリー)に子供用のキャリーを連結して参加すれば良いじゃん!と言い含めて納得させました。全くどこまで脳天気なんだか・・
とにかく今は妊婦生活に専念して、親友が無事に赤ちゃんの母になれる事だけを天に祈るのみです!

・・・と、話は突然の青天の霹靂な発言により横にそれましたが、すぐにいつもの馬鹿話に戻り、来月の忘年会の打ち合わせで盛り上がる性懲りのなさに、さすがの旦那も呆れ顔。

そうこうしていると、いよいよノルディック民謡のライブが始まり、30分ほど北欧の神秘的な歌声に酔いしれた後、別棟にある講堂を見学して帰路に・・はつかず(笑)、予定通り池袋の街に繰り出し初モンゴル料理を堪能しました!美味しかった!!

P1010598


これがノルディック民謡が響き渡ったホールにある暖炉。
国の重要文化財と言うことで、消防署の許可が無くては利用できないと言うこともあり、年間数えるほどしか暖炉に火が入ることは無く、これは貴重な一枚。
去年のクリスマスの時は、この火でマシュマロを焼いてハフハフしながら食べました
今年もおそらくクリスマスイベントの際にこの風景を見ることが出来るはずですので、見たい方はお見逃し無く!

P1010605


そして美しい講堂を覗いているのが、妊婦の亭主に成りたてホヤホヤのJ君。
君の華奢なその両肩にずしりと掛かる重みに負けず頑張れ〜っ!
私も全面協力するからね!

| | コメント (0)

2008/11/20

三国志初心者「レッドクリフ」を観に行く

クラスに必ず一人くらいは三国志オタクって居るよね~?!
・・って呑んでいてオタク談義になった時に、誰かがそう言い出して妙に納得した記憶が私にはあります。
おそらく年代的にNHKの人形劇の影響が大だと思うのですが、確かにクラスに一人は三国志にやたら詳しい奴がいました。
個人的にお勉強としての歴史は嫌いではないのですが、戦国史が苦手というか所謂国盗り合戦に一切の興味が沸かず、中国史はおろか日本史でも戦国時代はスルーしてきてしまった私が、キャスティングの良さに負けてジョン・ウー監督作品「レッドクリフPART1」を観てきました。

U1584p28t3d2081734f326dt20080630204

お供の友人は、F4のJAPAN TOURにも来てくれた親友Tちゃん。
彼女は試写会で一度レッドクリフを観ているにもかかわらず、その余りの面白さに一気に三国志に嵌り、私が行く時は必ず一緒に行くから!というので付き合ってもらい今夜2度目の鑑賞となります。
三国志については右も左も分からない私には強い味方で、私の「三国志って史実なの?」という三国志オタクが聞いたら鼻で笑われそうな初歩的な質問にも懇切丁寧に答えてくれるし、「誰が格好いいの?」というミーハーな質問にも笑顔で答えてくれる良い奴です。

前置きはさておき、いきなり結論から言うとすごく面白いです!・・と同時に、私のような初心者には情報量が多すぎて判りづらい面もなきにしもあらず・・という事で、後日一人で「レッドクリフ吹き替え版」を観に行くことに決めました。
複雑な抗争の構図を理解したり、登場人物の背景を理解する事も、吹き替えならばスッと頭に入ってきて全く煩わしくないし、何たって同じアジア人ですものあの顔で彼らが日本語を話していたって全く違和感がないはずでしょ。
でも、日本語は全く問題のない金城さんや中村獅童さんも別の人の声に吹き替えられてるのかな?う~ん・・・逆に気になる!

でも、どうしても吹き替えはイヤ!って人も居るでしょうから一応フォローしておくと、字幕版でも最初に争いの構図の説明を図解入りで丁寧にしてくれるので、十分に話の流れは理解できますよ。
単に私の理解力がないだけですのでご心配なく~♪

お話しは要は国盗り合戦で、しかも軍力に相当の格差のある軍同士の戦いなので、そりゃぁ判官贔屓の日本人なら観ていて面白いし、PART1を見る限りは勧善懲悪の構図になっているので否が応でも諸葛孔明と周瑜が軍師を務める側を応援したくなる訳で、観ていて明解で気持ちは良いですよ。
そしてなんといっても、彼らが軍師を務める側の君主の一人が「僕は君のために蝶になる」で仔仔のお父さんを演じていたヨウ・ヨンさんですのも、そうなりゃそっちを応援しちゃうのも言わずもがなでしょ?

U2507p28t3d2070098f326dt200806220_3

戦の勝敗よりも一般の民の命を優先する素晴らしい君主、ヨウ・ヨンさん素敵です。



トニーファンのTちゃんは試写会で見事に2人の役者さんに堕ちたそうで、上映前から熱く語られたのがこの2人。
まず一人目は孫権役のチャン・チェン。

U1584p28t3d2082146f326dt20080630213

私に仔仔作品を無理矢理見せられるまで、台湾の役者さんの濃いめな顔立ちが苦手だったTちゃんでしたが、気がつくとF4のライブに参加した成果なのか、濃いめお顔もすんなり受け入れられるようになり、「ブエノスアイレス」を始め「カップルズ」などの作品を以前から観ていたはずの彼の美しさに初めて気付かされたと言っていました。
彼はF4ファンなら必ず誰でも知っているであろう「ホスピタル」で最終的に連大病院の院長に上り詰めるシュー・ターミン役のチャン・グォチューさんの息子さん。
仔仔ファンならMarsの零のお父さんといった方が早いかな?
繊細で悩める若き君主といった役どころで、もし仔仔がこの中でやるとしたら年齢的にも孫権かなとか思って観てました。

そしてもう一人は趙雲役のフー・ジュン。
もうこの人の役は文句なしに格好いい!!冒頭はこの人のザ・男祭り!!!的な格好良さ全開で、戦場に絶対に欲しい男です。もし戦場で花いちもんめをして「あの子が欲しい♪」状態になった時は確実に私は彼狙いです(笑)

U1584p28t3d2082161f326dt20080630213

君主に忠実で、戦わせればむちゃくちゃ強い!!気は優しくて力持ちタイプ。
しかも動体視力良すぎ!って位に自分に向かってくる槍を素手で掴むわで、友達が惚れちゃうのも無理はないなぁと納得の格好良さでした。
この人「インファナルアフェア」でも良い役なのよねぇ~(必見)
顔は赤井英和や大和武士似のボクサー顔(?)なんですが、ガタイは良いし確かに一押しです。

私の贔屓はやはりトニー・レオン。
インファナルアフェアで、まんまとあの子犬のような濡れた目にやられた一人です。
カメレオン俳優の名に違わず、今回も見事にトニーならではの周瑜像を作り上げていました・・って言っても、なんたってわたくし三国志初心者ですのでアテにはなりませんけど。

02_large


パンフからの受け売りですが、本などで描かれる周瑜像は「心が狭く、人として器の小さい人物」だそうで、そこで監督からは「心が広く、義理人情に厚い、ロマンチックな愛妻家」という周瑜像を作り上げるように言われたトニーは、それは見事に悠然としていて人格者の軍師、周瑜像を創り出し、見終わった後は私にとっての周瑜はトニーの周瑜像が基本形になりました。

そしてこんな私でも唯一名前を知っていた諸葛孔明を演じたのは金城武さん。
元はと言えばこの役はトニーがキャスティングされていて、周瑜役はチョウ・ユンファだったのが、一連の降板劇にていつの間にか回り回って金城さんになったというこの大役。

U1584p28t3d2082069f326dt20080630212

友人曰く、この役でここまで若い俳優さんを起用したのは稀だとか。
どこか浮世離れしていて、文武何事にも長けているカリスマ軍師なんて役者にとってはプレッシャーだったろうに・・と観ていて思ってしまいました。
私は他の役者さんの演じる諸葛孔明は見たことがないので、比べることなど出来ないし評価するのも難しいのですが、金城さんの持つ品の良さと清潔感が高潔な軍師といった印象を持ちました。
金城さんの諸葛孔明には不満などないのですが、やはりこうなると正直トニーの諸葛孔明も見たかったなぁっていうのが本心かしら。

そして女性陣。
作品自体完全に男のドラマなので、女性陣は単なる添え物だろうなぁと思ったらとんでもない。思いのほか良かったです、リン・チーリン。

U1584p28t3d2082222f326dt20080630214

元々、モデルとしては少しシャープさに欠けてイマイチだなぁと思っていた方だったのですが、女優としての彼女はもう美しいことこの上なし!
とにかく憂いのある表情は綺麗の一言、文句の付けようがございません。
モデルなので174と背は高いのですが、古装がとてもよく似合っていて初めての映画出演が時代劇で正解だったなと思います。
この美しさが戦を生んだというのも、十分に頷ける完璧な美でした。

この方、レッドクリフの記者会見で記者からの意地の悪い質問にも、胸のすくような応対をしていて質問した記者も何も返せず、まさに才色兼備とはこの事だなぁと実感させてくれる頭の回転の良さを披露してくれていました。ポイント高し!!
あっ・・余談ですが、観ていてこの人って木之内みどり(竹中直人さんの奥様です)と真行寺君枝を足して2で割った感じだなぁ・・とか思ったりもしたのですが、分からないですよねぇ〜(笑)


もう一人の女優さん。
チャン・チェン演じる孫権の男勝りの妹を演じるヴィッキー・チャオ。

U1584p28t3d2081832f326dt20080630205

子供のようにクリクリした大きな目を輝かせながら嬉々として戦に参戦するお転婆娘は見ていて痛快!
彼女の奇襲が戦の口火を切る場面は、一瞬にして胸がすく名シーンかと。

本編が終わってエンドロールの後に来年4月に公開されるPART2の予告編が流れましたがこれがまた面白そう!
PART1のラストもえっ!!ここで終わるわけ??!!と思うような場面で終わるものだから余計に期待は募るし、4月と言わず1月にでも公開してくれと熱望しちゃう程です。

来年の4月にはヴァネスも出演する(中村獅童さんの役を演じるみたいです)アンディ・ラウ版三国志も公開されるし、相当な三国志まつりが開催されそうな予感が。

何と言っても余りにも三国志初心者ゆえ、ストーリーがどうだの語る資格はないので役者さんのインプレッションだけですが、まだ見ていない方は三国志の知識が無くとも十分に楽しめますし、これは絶対にスクリーンで観る映画ですのでいざ映画館へ!!

| | コメント (4)

2008/11/19

筑紫さんが遺したもの

11月7日、ジャーナリストの筑紫哲也さんが亡くなられた。
朝日ジャーナルの名物編集長として、TBSの看板報道番組NEWS23のメインキャスターとして、常に公平な視点で我々に筑紫さんが思う真実を伝え続けてくれた人だった。

大河ドラマ「篤姫」の中で、篤姫が夫である将軍家定が次の将軍を決める際に言った言葉「一方聞いて沙汰するな」という台詞を聞いた時、真っ先に思い出したのは筑紫さんの顔だった。

それはNEWS23で貫かれた筑紫さんの報道に対する一つの姿勢でもあった。
亡くなった2日後に放送された筑紫さんの追悼番組の中で、それは「徹底した当事者主義」という言葉で語られていた。
つまりそれは大きな事件が起きた時、世論が一方を糾弾する状況になっている中で、あえてその事件のやり玉に挙げられている当事者を番組に出演させ、筑紫さんの質問に対し本人の言葉で語らせるという形をとった常に公平な筑紫さんの報道姿勢を指した言葉である。
その事は、時に事件の見えにくくなっている部分を浮き彫りにしたり、事件の起きた背景を改めて見つめさせるきっかけにもなった。

報道に関わる者として最も大切なモノは、物事を見極める時のバランス感覚だと思う。
電波という公共のメディアを使って何かを伝える時、自分の主観+物事を客観視出来る視点を持つ事の大切さを筑紫さんは観ている者に身をもって分からせてくれていた人だった。
おかげで当時事件の渦中にいたはずの、収賄容疑のかかった鈴木宗男議員やライブドアの堀江貴文、薬害エイズの被告だった元帝京大学副学長の安部 英らの生の声を聞くことが出来た。
他のワイドショーや報道番組にありがちな検察の取り調べのような詰問形式でなく、決して偏ることのない筑紫さんの冷静かつ中立な視線の前では、その誰もが他では晒さなかった顔をのぞかせ自分の言葉で静かに語った。
まさに篤姫の言うところの「一方聞いて沙汰するな」である。

こういう筑紫さんの報道姿勢は、常に観ている我々の思考を刺激し続け、決して鈍らせなかった。
法のジャッジの下る前の事件に対し、こうと決めつけ語られる報道とは違い、筑紫さんの取った中立の姿勢は事件の核心に触れつつも、変に結論は出さず常に視聴者に向かいあなたはどう受け取りましたか?と疑問符を投げかけ、一人一人が事件について考える事の大切さをその都度教えてくれた。
だから、私は事件が起きた時は必ずまずは「筑紫哲也 NEWS 23」を観て筑紫さんの考えに触れてから、新聞を手に取り他の情報を入れた。

筑紫さんの言葉に触れた後はいつも、頭が熱くなるのではなく、身体の芯が熱くなるのを覚えた。その熱は翌日も、その翌日も私の中で熱を保ち続けその事について考えさせた。
時にそれは憲法についてだったり、戦争だったり、日本という国についてだったり、人の命についてだったりと次々とテーマを変え、その静かな熱は1日の終わりに私に問いかけ続けた。

その熱をもう感じることが出来ないかと思うと、溜まらなく寂しい。

筑紫さんを通して、ある夏の忘れられない思い出になったある曲がある。

「最後のニュース」

このタイトルを聞いただけで陽水のよく通る特徴的な声と、メッセージ性の強いその歌詞にオーバーラップするようにインサートされるニュース映像が咄嗟に頭に浮かぶ。
この曲はある一時期「筑紫哲也 NEWS23」のエンディングテーマだった。

毎年7月の最終週末、FUJI ROCK FESTIVALに通い始めて早10年以上になるが、忘れられないステージを一つ挙げてみろと言われたら、私は迷うことなく2002年のグリーンステージに登場した井上陽水が歌った1曲「最後のニュース」を挙げるだろう。
確かに第1回の今や伝説となった嵐の中のFUJI ROCKのレッチリのライブも別な意味で忘れられないが、その曲の持つ力と歌い手の力が聴衆を支配した瞬間に立ち会ったのは2002年の陽水のライブの「最後のニュース」の約7分間だけである。

確かにメッセージ性の強い曲である。
今までもFUJI ROCKのステージには、人を啓蒙せんとばかりにやたらと扇情的にステージで声を上げるアーティストが多く上がったが、ステージの上の陽水はそのアーティストたちとは全く違っていた。
陽水のステージは、時折飄々としたMCを挟み、時にアグレッシブに、時に淡々と演奏をする姿は観る者を変に高揚させたりせず、逆にライブで熱くなった頭をクールダウンさせるような静かな印象のステージだった。
そのステージを観ようと、普段はステージなどには一切目を向けずに、売店で商売に精を出している地元のおじさんはその手を休めわざわざステージまで足を運び、他のステージに移動しようとしている若い子達はその足を止めて静かに聞き入った。

FUJI ROCK最大の会場、GREEN STAGEで行われた陽水のステージ、最後の1曲がこの「最後のニュース」だったと記憶している。

そこで聞いていた数万人の人の脳裏には、その年の一年前に起こった同時多発テロの衝撃的な映像が浮かんでいたのではないだろうか。
この曲がこの世に生まれたのは1989年、天安門事件、ベルリンの壁崩壊、昭和が平成にかわった年だった。
それから10年後、1999年に放送されたTV特番「21世紀への伝言」という陽水の曲を年代別に取り上げた番組の中で、ナレーションを担当した野田秀樹さんはこの曲をこう言い表した。

「最後のニュースには、未来への絶望とも希望ともとれる不思議な響きがあった」

その10年の間に世界は変わり続け、それは絶望へと向かっているのか、希望を持ち続けているのか分からないが、確実にその曲の中で語られていた歌詞は予言したかのように現実味を増し、リアルな言葉として人々の胸に突き刺さった。
2008年、その曲が生まれてから既に20年近くが経とうとしているが、曲の持つメッセージ性は未だ薄れることなく、逆に重みを増し続けている。

この曲は所謂人間への警告なのだと、どこか醒めた眼差しで語るのでは無く、筑紫さんが自らの名前を掲げたニュース番組のエンディングテーマとして敢えて選んだこの曲の歌詞の意味を改めて考える機会を、図らずも筑紫さんの死は与えてくれた。

先述の追悼番組の中で陽水がスタジオでこの曲を演奏していた。

今 あなたに、Good night・・・
ただ あなたに、Good bye・・・

滅多に感情を表に出す印象がない陽水だが、
その曲の最後の歌詞を歌うその声はかすかに震えていた。

最後に個人的な思い出を一つ。

私がよく利用したイタリアンのお店が新宿の曙橋にあった。
今は西麻布に移り、もう今はそこにはないその店で一度だけ筑紫さんと隣同士になった事がある。

ランチを食べようとひとりで店に入ったその日、メインが終わりデザートとエスプレッソを飲んでいた私の横に、見覚えのある人懐っこい笑顔の白髪混じりの紳士が座った。
筑紫さんである。

注文を済ませた筑紫さんは、一緒に入ってきた人に向かいおもむろにこう言った。

「僕、本当はもっと他にやりたい事があったんだよね」

まだ朝日新聞の一社員としてやっていた時代に、年を取ったらこんな事をやりたいと思っていた事があるのだという筑紫さんの話を、まるで報道という場所からの引退をほのめかすようなふうに受け止めたのか、そのお相手の方は自分の父親と同じ年だという筑紫さんに、引退なんてとんでもない!と関西弁で明るく叱咤し、筑紫さんしかあのポジションは許されないのだからと言いながら必死になって説得していた。
恐らくは娘のような感覚で可愛がっていたであろうその相手の方との会話なので、全くシリアスなものではなかったが、横で聞き耳を立てている訳ではなくとも自然と会話が入ってきてしまう状況が何ともきまりが悪く、そこまで聞くとエスプレッソを飲み干し急いでその店を出てしまった。

筑紫さんが何をしたかったのか、今となってはそれを聞く術もないけれど、私もそんな言葉を筑紫さんにあの時に打ち明けられたら、相手の方と同じ事を言っただろう。

相手の方からの説得の言葉を受け、いつものあの笑顔で困ったように頭を搔いていた筑紫さんを思い出し、今、私は泣き笑いみたいな情けない顔でキーボードを打っている。

この国のゆくえを考える時、時代が大きく変わろうとする時、この先何度もそういう瞬間に立ち会うだろう。
そういう時、真っ先に意見を聞きたい人が今はもういない。

でも、遺された私たちの中には多事争論の中で毎回筑紫さんが残してくれた「平和のために何が出来るか」という事を考え続けるという尊い教えがある。

筑紫さんが遺したもの

それは今を生き続ける自分たちの中にある。
それを絶やしてはいけない、今はただそう思う。

| | コメント (4)

2008/11/16

バスルームから愛をこめて

只今、バスルームに立てこもり中(笑)…と言うのは嘘で、
例のプレゼントに貰った防水DVDプレーヤーをバスルームに持ち込んで、
汗をダラダラ流しながら買ったのは良いけど観ないまま貯まっていた
DVDを観まくっています。

Ca390227



持ち込んだのは藤原君の身毒丸復活の特典ディスクと、
何週間か前にNHK教育テレビで放送された、
セクシャルマイノリティの人達の特集をダビングしたディスクの二枚。

後は、F4tourのセットリスト順に編集し直したiPod。
(防水じゃないからダメって分かってるのに懲りないねぇ)

意気込んでバスルーム入りしたものの、
一枚目の藤原君のドキュメンタリーでまたもや彼の凡人ならぬ一面を見つけ、
藤原竜也という一人の男の子が見えない糸によって、
彼が今居る場所へと導かれた事の必然を(江原さん信者じゃございませんが・・)
改めて思い知らされ暫し思いに耽っていたところ、
これから一緒にレッドクリフを見に行く友達からのメールで
我に返りましたです、ハイf^_^;

この子のマネージャーは裸で付き合える人間じゃないと勤まりませんな。
底なしの魅力を持った子ですね、全く。

この事は改めて書く事にして、とっとと用意して出かけなきゃ〜三 (/ ^^)/




| | コメント (2)

2008/11/15

妹からのプレゼント?

先日の友人からのプレゼントに続き、妹からのプレゼントが届きました。
正確に言うと、妹に「プレゼントならコレね!」とリクエストしていたものが届いたのですが・・・

本来プレゼントは相手の喜ぶ顔を思い浮かべ選んで渡すのがプレゼントの醍醐味なのだと思うのですが、随分前から妹は何が欲しい?と予め確認してからプレゼントするのが恒例のようになっていて・・というのも、姉である私の職歴からか、私にモノををプレゼントする事が彼女にとってはプレッシャーになるというのです。

私は10数年前まではスタイリストを生業としていて、仕事柄洋服からインテリア雑貨に至るまで、確かに人よりも多く目にしているのですが、だからといって妹の選ぶプレゼントを値踏みする様な嫌らしい事などしないし、普段人のために服やモノを選んでいるせいか、自分の為に何かを選んでもらう事に喜びさえ感じているのに、そこら辺が妹には分からないらしく、毎年誕生日の時期になると「お姉ちゃん、今年は何が良いの?」と聞いてくるのです。

その形態にももう慣れ、今年はどうする?と聞かれた時、ベッドサイドの照明が壊れたからそれが欲しいかなぁと言うことになり、早速ネットにて物色をスタート、ライトを置く予定のチェストの上のディスプレイに合わせネイティブアメリカンなテイストのライトが良いかなぁ・・と探すと、これがやたらと高い。
平気で5,6万〜10万くらいしてしまうのです。
そんなもの妹に頼めるわけがないと言うことで、振り出しに戻って見つけ出したのがコレ!

P1010581


当初のネイティブアメリカンなテイストとは打って変わり、結果的にクラシックモダンといったデザインのものになりましたが、変に統一してしまうと野暮ったくなる事もあるなぁ・・と考えた末にこのライトにしたのですが、置いてみると少し大きい感じも否めず、個人的にもうワンサイズ下のものを購入しようか思案中。

P1010580


インパクトの強い黒一色のライト、台座の部分はピアノの塗装が施されていて重量感のある観てくれ通りずっしりと重く安定感もあって、お値段の割にものが良いので満足。
このネットショップBE-E、元は鎌倉にあるインテリアショップみたいで、値段が手頃でセンスの良い品揃えなので、今後も誰かの誕生日の度にお世話になりそうな素敵なお店でオススメです。

人に選んでもらうと言えば、先日F4のJAPAN TOURの記事が載っている雑誌を買わんと、中野ブロードウェイまで散歩がてら出かけた時に、フラッと立ち寄った行き付けの地下のお店で洋服を何の気ナシに物色していると、お店のご主人が私が試着するからと除けていた服をコーディネイトしていてくれたのです。
この店はカジュアルな服中心のCUBE SUGARというお店で、お出かけ用というよりも普段使いの服を探している時によく寄るのですが、とにかく着やすくて手頃な値段で可愛いものが手に入るのでちょくちょく利用させてもらっているのです。

確かにこの場合のコーディネイトは、販売のテクニックの一つだと言うことは分かってはいるのですが、人からのプレゼント同様コレが似合うかなぁと思い浮かべて選んでくれるのは嬉しいもので、ここはひとつ術中に嵌ってみるかとついつい薦められた通りのものを一式購入してしまう事が多いお店です。
此処のご主人の良いところは、似合わないモノは私が手にとっても違うとはっきり言ってくれるし、人のクローゼットの中を知っているかのように、手持ちの服に合いやすいモノを選んでくれるのも嬉しいところ。

今回ご主人が選んでくれたのはコレ。(ニット帽とブーツは元から持っていたモノです)

P1010582

その日はカーキのスエット地のカーゴパンツを履いていたので、それに合わせてトップスだけのコーディネイトですが、これに合わせやすいようにクレリックスタイルの紺と白のストライプシャツワンピも選んでくれました。
此処のご主人(男性)に私が長年探し続けているピーコートのスタイルを言うと、「何年か前にジャーナルスタンダードで出してたよ」とお客さんよく使うでしょあの店と言わんばかりに、ホントによく使う店の名前を出されビックリ。

人のモノばかり選ぶ事を生業としていた頃が今になると嘘のようですが、たまには人任せも良いじゃないと思ったお買い物でした。

| | コメント (0)

2008/11/11

幾つになっても嬉しいこと

実は先日9日の日に晴れて・・と言ったら良いのか、めでたくと言ったら良いのか、うん十回目の誕生日を迎えまして、例によって親友たちに祝ってもらいました。

大体がフジロック仲間なのですが、あまりに増えると毎月partyは出費が辛いと言うことで、
レギュラーメンバーは私の妹を含めた6人。
大抵は幹事役の親友の地元の代々木上原~渋谷か私の地元中野辺りで良い店を探し、いい年の男女大人6人で誕生会をやっています。

今回親友がセッティングしてくれた店は、渋谷の宮益坂にある京おばんざいの店「おはし」。昔よく利用していた「茶々花」の系列のお店でした。
ここの所イタリアンやオーガニックフレンチのお店が続いたので、たまには和食と気を遣ってくれたようです。Thanks !

今まで渋谷だと、松濤寄りの神山町の住宅街にある隠れ家的なお店だったり、その後代々木八幡から上原での2次会で流れやすいように、どちらかというとNHK付近が多かったので、今回の宮益坂近辺は逆に新鮮でした。
お店は今時の個室中心の作りになっていて、民家の古材と硬質でモダンな素材を合わせた如何にも茶々花らしい雰囲気で、友人曰く入り口付近が他の茶々花系列店よりもえらくザワザワしていて入店してすぐに失敗したか・・・って後悔したそうですが、個室に入れば静かなもんだし、週末の土曜日の渋谷ですもの静寂を求めるのは無理な話でしょ?と皆納得。

肝心のお食事はすべてアラカルトで、1品1品を大人6人でシェアするには小振りな盛りなので少し無理はありましたが、人数分盛りつけてもらったお刺身はこの手のお店にしてはかなり質の良いものを使っていて二重丸!
あとはどれも茶々花系列で食べたことがある安心な味で、全てデザートまで美味しく頂きました。ごちそうさまでした!

お誕生日と言えばプレゼント。
毎年、毎年、本当にあげる相手のことを思い浮かべ、頭が下がるほどドンピシャな贈り物をしてくれる友人たちなのですが、今年は初めての試みなの~!と言うことで、妹をのぞく4人が一緒に1つのものをプレゼントしてくれました。

それがこれ!

「ポータブル防水DVDプレイヤー」

P1010573


お風呂に無謀にもi-podを持ち込んで、本を読みながら2時間近く入浴する私の為に防水機能ばっちりで、DVD、CD、ワンセグ、SDカードという各種メディアを使える心憎いまでに私のニーズに応えてくれる多機能プレイヤーでした。
以前、私もお風呂で音楽が聴けるUSB対応のプレイヤーと、キャンドル代わりにもなるお風呂のライトを贈った事があり、それがいたく気に入ってもらえたようで、それからヒントを得たのだと言っていましたが、これからますますバスタイムが長くなる季節になるので、本当に嬉しい贈り物でした!
みんなありがとうね~♪

しかも、その後「これ、おまけ~」と言って、各自バースディカードと共に渡されたのがコレ、コレ!!!
いやぁ~~~~~ん!るぅたんチロルチョコじゃないの~!!

P1010572_2


そうなんです。
我が家の愛猫るぅたんの子供の頃の写真データを利用して、チロルチョコを作ってくれたのです。
これには私と妹と二人して大興奮!!!!!
さっきのDVDプレイヤーの喜び以上の雄叫びを上げてしまうほど興奮してしまいました(笑)
実はF4のライブでお世話になった方から(笑)、仔仔チロルチョコをプレゼントして頂いていたので(未だ食べられず・・・)、このシステムの存在は知っていたのですが、これは贈られて興奮しない人は居ませんですよね~!絶対!!

チロルチョコの興奮が醒めないうちにそのお店を後にして、同じく渋谷にある友達がやっているRock Barに立ち寄り、来週一緒に行くTHE WHOのライブチケットをその友達に渡しに行くついでに一杯引っかけて、今宵はそのままタクシーにて我が家に移動。
先日のpartyの残りの酒がかなり残っているので、それを片付けちゃおうって事になったのです。
実は2次会、3次会はその日の主賓のリクエストを聞いてもらうのが恒例になっているのですが、この会ももう10数年続けているので、いい加減カラオケや新宿2丁目(笑)っていうのも飽きまして、たまにはだらだらと我が家でどうかしらと思いつき、それと店に持ち込めないと言うことで、事前に誕生日に付き物のバースディケーキを我が家に預けに来てくれた事もありまして今夜は一度戻る事にしたのです。

そして、これが今宵のバースディケーキ。

P1010568


毎回毎回、美味しい店を足で探してくれる親友チョイスの代々木上原の「ダリオルール」のカシスフレーバーのシックなケーキにまたもや感激!!
まるで刺繍のモチーフのようなデコレーションにうっとりしてしまいました。

あとは、スカパー!!を観ながらだらだらと酒を酌み交わし、夜中の3時頃お開き。
いつもはこのメンバーに私の弟が加わり大抵朝までコースなのですが、弟は既に次のお仕事でリハーサルの真っ最中というお断りのメールを頂き、これでも早めのお開きなのです。

決して手放しで誕生日を喜べる年では無くなってしまったのですが、それでも10代の頃に知り合い、これだけ長く共に年を重ねてきた親友たちに祝ってもらえるのは幾つになっても嬉しく、また有り難いものだとしみじみ思った夜でした。

| | コメント (7)

2008/11/08

「僕は君のために蝶になる」を観に行く

先月の25日に封切られた仔仔の初の映画出演作「僕は君のために蝶になる」をようやく観に行きました。

原題は「蝴蝶飛」中国語には明るくないので定かではありませんが、書いて字の如く飛び交う蝶の様を指した言葉でしょう。
そして英語の原題は「Linger」、この英原題については前々から知ってはいたものの、言葉の意味については特に気にも止めていなかったのですが、こうして感想を書くのを機に改めて辞書で詳しい意味を調べてみると、そこに書かれていた意味には思わずグッと胸に来るものがあり、辞書のLingerの欄を何度も読み返しながら、この映画が伝えたかったメッセージについて暫く考えてしまいました。

【Linger】
1.(立ち去りがたく)グズグズする事
2.(病気ではあるが)生きている事
3.linger over=(〜するのに)手間取る

既に映画を見た方ならば、この3つの意味に登場人物(アトン、エンジャ、アトンの父親)の心理とこの言葉を重ね合わせる事が出来るでしょう。
愛する者からの本当の気持ちを確認できないまま、若くして不条理な死を迎えてしまい、現世に魂を彷徨わせている仔仔演じるアトン。
若さゆえ相手に素直になれずに、未熟な感情が引き起こした突然の悲劇が一瞬にして愛する者を奪っていった事に対し、後悔の念に縛られたまま生き続けているリー・ビンビン演じるエンジャ。
そして父一人子一人の生活の中で息子を育て、子を思うが故に厳しく接し続け、不器用ゆえに愛してるという気持ちを息子に伝えられないまま、ある日突然息子を失ってしまう事になるヨウ・ヨン(名優!!!)演じるアトンの父親。

C6263969147

この3人はLingerの意味そのままに、この世にグズグズと気持ちを残したまま愛する者の側から離れるのに手間取るアトンと、生きている事自体が苦しく精神安定剤を飲むことでようやく生きているエンジャ、同じく突然失った息子の死を受け入れられず誇りでもあった警官の職も捨て、荒れた生活を送り続ける父親も病気ではないが本来の生の意味を謳歌することなく、ただ刹那的に生きているようにみえる

まるでトリプルミーニングとも言える「Linger」というシンプルな一語に込められた重く深い言葉の意味さえ伝わるのならば、一生懸命考えたあげくにこの邦題を付けた方には申し訳ないけれど、正直言って余りにも説明じみた邦題はいらないとさえ思えてくるのです。

ここで個人的な話をあえてさせて頂くと、私は今まで生きてきて同世代の者の死、それも何故か男性ばかり5人の友の死を経験しています。

最初の死は19歳の時に経験した幼稚園からの男友達の死でした。
しかも、1週間の間にバイクと車の事故で2人の友人を失いました。
誰にも平等に訪れるはずの「死」という事に対し、余りにも現実感を持てなかった19歳という年齢は、そのまま大学生だった映画の中のアトンとエンジャという恋人たちの年齢とほぼ重なります。
葬儀の際に久しぶりにお会いしたバイクで一人息子を失った友人のお母様は、息子を溺愛していた小学生の頃そのままに、息子に先立たれた悲しみをそのまま表に出され息子の亡骸が納められた棺に縋るように泣かれていた姿を今でもはっきりと思い出せます。
映画の中のアトンの父親も、友人のお母様のように気持ちを素直に表に出すことが出来たならば、少しは息子の死に真っ直ぐに対峙する事が出来たのではないかと思いました。

それから数年後、プロのギタリストだった幼なじみの年上の男友達の死を経験しました。
彼の実家は我が家の近所の教会で、お父様はそこの牧師様でした。
ガンを患い、告知された息子が病と敢然と立ち向かう姿を静かに見つめ支え続けたお父様でした。
葬儀の際にお父様が話された息子を送る言葉は、30年間という時間自分の息子でいてくれた友人に対する愛に満ちていて、未だにその挨拶を超える悼辞を私は聞いたことがありません。
ギタリストとして忙しい時間を送っていた彼でしたが、牧師として人間として教えを説く父親の側で言葉を交わすだけでない濃密な時間を送ってきたことは想像するに易い事でした。最後の1年、膝まであったトレードマークの長髪を切り、化学療法を避け体力と精神力で病と向き合った息子の死を、悲しいけれど受け入れているように感じさせるお父様の深い深い悼辞でした。

そして最近になって、フジロックに一緒に行ったり、よく朝までお酒を飲んだ一つ年下の同僚のデザイナーと、NYで遊んでいた若い頃に知り合い、十数年の長い時間友人としての時を重ねた男友達の死を経験しました。
二人とも死因は「癌」でした。
若い故に進行は早く、癌を告知されてから1年と持ちませんでした。
若い10代の頃と違い、それぞれに家庭を持った二人には残してゆく家族が居ました。デザイナーの友人は同級生の妻と愛猫が、NYで知り合ったライターの友人には病気の妻と愛する小学生の娘がいました。
己の「死」に向かい合わなければならない厳しい現実だけでも耐え難いのに、この世に残してゆかなければならない家族がいた彼らの思いたるや、私が軽い気持ちで想像できるものではありません。それでも自分に残された時間の中で必死で気持ちを伝える事で、残される者に自分の「死」を受け入れるための準備をさせてあげていました。
残された彼らの家族は、「死」という高い壁を前に為す術もなく惰性的に「生」を送る映画の中の二人とは違い、死にゆく者に乗り越える為の何かをもらい、彼らを失った今を確実に生きています。

人の遺す思いはそれぞれに違うけれど、「死」によってこの世に気持ちを遺したまま彷徨うアトンという存在を見ていて思い出したのは自分の人生に関わってくれた彼ら5人の顔でした。

去りゆく者が遺す思いと同時に、遺された者の中にも燻り続ける後悔の思いがあり、それは生前の彼らにどんなに尽くしたとしても、殆どの場合後悔は深い喪失感と共に胸に残ります。
その誰もが抱える後悔の念をこの作品の脚本家は、時に残酷に、時に優しく叙情的に登場人物に乗り越えさせようとしてくれました。
脚本家はアイヴィ・ホー。
1996年にレオン・ライとマギー・チャンによる名作「ラブソング」を手がけた女性脚本家です。「ラブソング」は日本人にとっても馴染み深い故テレサ・テンの歌声が印象的な男女の恋愛記で、その中でも彼女は恋人たちが抱える避けがたい現実と、運命の結びつきを丁寧に描いていて、観た後に心地よい余韻を残す名作でした。

Lingerの中のアトンとエンジャのカップルはラブソングの二人に比べると、精神的に余りにも子供で己のエゴを押さえることも出来ない未熟さを抱えているように描かれており、その未熟さゆえに未だに人生をリスタートできずに居る様は観ている者の目に痛々しく映り、どこかで折り合いを付けてくれれば・・と思わせる程傷ついた者として描かれています。
この作品ではその若さ故の未熟さと残酷さが、仔仔とリー・ビンビンが持つ今の彼らの個性に合っていて、それだけに余計に切なく、そして愛おしく思えてくるのです。

台湾のアイドルグループF4として世に出た仔仔にとって、まさに満を持して得た本作への出演は慎重に機が熟すまで待った意味があったものであると思います。
正直、先だって公開された「闘茶」はblogにも感想が書けなかったくらいに個人的にOUTの作品の出来でした。日本と台湾の映画文化の交流としては意味があっても、作品から訴えるモノが感じられず鑑賞後何も言葉が出てきませんでした。
そう考えると本作は所々気持ちを削ぐ過剰な描写があったにせよ、仔仔にとっては力のある監督の指導にも恵まれ、刺激しあえる役者の演技に触れられる貴重な経験を得た作品で、観ている側にとってもスクリーンの中で萎縮することなく演技をする仔仔を目の当たりに出来た作品であり、「インファナルアフェア」を代表する男映画だけではない香港発映画の静かな余韻を感じられる秀作だと感じました。

ジョニー・トー監督や作品を見た多くの方がblogでも書かれているように、作品の核になる人の琴線に触れる大きな部分を担っているのは父親役のヨウ・ヨンだと、私も素直に思います。
日本でもよく描かれる自分の気持ちを素直に出せない不器用な父親像は、向田邦子作品やかつての日本映画の名作にも描かれているような昭和の父親像に近く、観ていて親近感が沸き、不器用さ故に苦しみ、あることがきっかけで息子の本心を知った時の慟哭する場面では、父親のリアルな悲しみと同時に息子への後悔からの呪縛を解かれた衝動が伝わってきて、最も心が震えたシーンとして心に残りました。

※仔仔の右隣の男性がヨウ・ヨンさんです

残念ながら作中で仔仔とヨウ・ヨンさんが直接演技を交わす場面は有りませんでしたが、それでも役者として自分が演じる役の解釈や感情の表し方に現場で触れたことは、素直でクレーバーな仔仔ならば自分の中の役者の引き出しとして蓄えてゆくことが出来るだろうと思います。

上映前に流された仔仔のインタビューの中で怖い監督として有名なトー監督が、現場で仔仔に対しては非常に優しかったと周りのスタッフから言われたエピソードを話していたのですが、このエピソードに裏付けられるように彼の最大の強みは、
奢らない謙虚さから来る素直さでしょう。
これからもその素直さと人から愛される強みを武器に一歩ずつで良いので役者の自分を磨いていって、誰が言ったか分からない「台湾のトニー・レオン」のという有り難くも重い称号に相応しい役者ヴィック・チョウになっていって欲しいと思いました。

世間的な作品の評価はどうあれ、役者ヴィック・チョウとしての初映画作品としての本作は、わざわざお金を出してまで観る価値のあるだけの何かを私の中に残してくれた作品でした。

半分は個人的な過去の感傷に終始してしまい、あまり作品の感想とは言えないこの駄文を読んで下さった方に心より感謝いたします。

1196302495451_30440_2

Img_20071127180800573_1_cover245_2

| | コメント (10)

2008/11/02

我ら見張り番!

200811021513000_2



さっき散歩の途中に見かけて、余りのかわいさに従姉妹が写メしてくれた2人組。
小さくて見えづらいのですが、おうちの壁に仲良く外を伺いながら見張りでもしてるのかしら。

| | コメント (0)

« 2008年10月 | トップページ | 2008年12月 »