映画・テレビ

2009/10/01

「私の中のあなた」を観る

先日、友人から誘われ久々に試写会に行ってきました。
作品は名匠ジョン・カサテヴェスの息子ニック・カサテヴェスの最新作「私の中のあなた」。

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内容は白血病の子供のために、同じ遺伝子を持った子供を病気の子供の治療目的で
計画的に妊娠し、その是非を問われたという実話を一要素として盛り込んだ作品で、
映画では病気の姉への移植目的のために生まれた妹が、自らの意志で治療を拒み
それを目的に実の両親を訴えるというお話しでした。

CBSドキュメントの中で取り上げられていたこの問題に興味を持ち、
原作を既に読んでいた友人が、原作とはかなり違うラストに驚きながらも、
こういう結末じゃないとただの夢物語になってしまうので、これもアリかなと言って
いましたが、私的には原作の筋書きも映画的で面白いのでは?と思ってしまいました。

確かに涙は避けられない内容だし、実際に私自身も弟妹を持つ身として
自分に置き換え物語の子供たちの心の中を覗き込んだ気持ちになり何度も泣きました。
でも出来ればもう少し法廷寄りのドラマを観たかったな・・と言うのが正直な感想です。
その中で議論されている人間の倫理上の是非をもう少し考える機会を与えて
くれるような展開を希望してしまいました。
そのせいか、よくあるお涙ちょうだいの家族愛のドラマにおさまった感が強く、
見終わった後にどこかで観た作品だったなという既視感を覚えてなりませんでした。

決して駄作ではありません。
でも、映画館まで観に行くかと言ったらう〜ん・・・って感じでしょうか。

妙に覚えているのは、ジョーン・キューザックの老けっぷりとキャメロン・ディアスの
ノーメイクの皮膚のたるみ・・これじゃ失礼な話しだけど正直な感想です。

そして上映前に流されたネット小説が原作の日本映画の駄作ッぷりdown
観る前から予告だけでもうげんなり・・・sadです。
ネット小説の映画化は打ち止めにしてもらいたい!とネット小説世代じゃない
我々の意見は一致したけど、どれも同じ様な内容で同じようなグラビアアイドルもどきの
女優を使った作品ってのがもうdown要素の何物でもない。
完全に制作費の無駄!二匹目のドジョウは居ないんだって事を
いい加減わかったら??って言いたいです。(何だか今日は辛口だわ、私sweat01

その後、会場の中野サンプラザ近くの焼鳥屋で一杯beer
夜遅くまで旧ガールズトーク(笑)で盛り上がり、ようやく一人は終電に滑り込みセーフ!
後はカロリー消費も兼ねてウォーキングにて帰宅。
夜道は気をつけてね〜♪・・って誰も襲わないか(笑)

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2009/08/12

ルーフトップシネマ

去年の9月に続き、移動映画集団Kino Iglu(キノ・イグルー)目黒CLASKA主催の
ルーフトップシネマに参加してきました。

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内容は目黒のデザイナーズホテルCLASKAの屋上テラスにて、ノンビリとお酒でも
呑みつつ映画を観ましょうという、ざっと云うとこういう事。

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映画も手軽に観られるモノではなく、キノ・イグルーの方が厳選した面白い作品を
上映するので、何よりもそれが楽しみなのです。

前回は故ヒース・レジャーの未公開の作品を上映。
今回はカルト中のカルト、リチャード・エルフマン監督の「フォービデン・ゾーン」
という作品。内容はタイトル通りまさに禁断の世界というか間違っても公共の
電波には乗る事のない放送コードぶっちぎりのクレイジームービーでした。
80年代のアメリカで制作され、若者たちが夜な夜な集まってはNYやLAの
アンダーグラウンドカルチャースポットで上映を楽しんだようなミッドナイトシネマ
の中の作品だそうで、そういうムーブメントの中から今はメジャー監督になった
ジム・ジャームッシュやスパイク・リーなどが育っていったとのだという説明を
受けているうちに分からないクセに背伸びしては、その頃は東京でも数館しか
無かった単館シネマでカルト作品を観ていた10代頃の空気を思い出し、
懐かしく頷いていました。

音楽は「シザーハンズ」や「チャーリーとチョコレート工場」などのティム・バートン
監督作品の音楽を多く手がけているダニー・エルフマン。
正直、主催のキノ・イグルーの方の話しっぷりからも、映画の内容より映画が
生まれた時代背景や、ティム・バートン監督が本作の音楽を手がけた
ダニー・エルフマンを自作に起用するきっかけになった事を主に伝えたかった
主旨が読み取れ、それは作品を観ているうちに確信に変わり(笑)、見終わった
時には案の定屋上テラスは微妙な空気に包まれていました(笑)

それでも屋上テラスに吹く風が気持ちよく、特設BARでワインやビールを買って
は持参したバゲットサンドやバターの染みこんだバゲットを頬張り、終いには
ごろ寝状態で観る野外シネマは最高でした。
今回は講談社「モーニング」に連載している漫画「へうげもの」との連動企画
と言う事で、それからインスパイアされた作品を展示販売しているギャラリーが
8階にあり、帰りに寄りつつ学芸大の和風ダイニングへGO。

「砂山」=サザンというサザンばかりが延々流れるお店で遅い夕食をとりました。
〆に食べた柚子ラーメンが絶品でした。
CLASKAに今度来る時は時間を考えずにノンビリと泊まりたいとの話しもまとまり、
その企画もいつか近いうちに実現できたら良いねheart02と言うところで今夜は解散。

帰りは電車で来たみんなと別れて、今夜もまた自転車で一汗・・というか大汗を
かきながら家までまっしぐら!
学芸大〜中野の距離はチト辛いけど、これも自分のため。
そろそろ長距離仕様(?)の自転車に替えようかなぁ・・・でもその前に基礎体力
を付ける事が先決だわね。

またみんなを誘ってキノ・イグルー主催のイベントへと足を運ぶつもりです。
前に紹介した中野のお茶屋OHASHIさんとキノ・イグルーのコラボ企画なんて、
もし実現したら面白そうなんだけどなぁ。

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2009/06/07

重力ピエロ

先日、前々から公開されたら絶対行く!と盛り上がっていた映画
「重力ピエロ」を観に行ってきました。

その日は水曜、レディースディheart01
女に生まれたメリットを小さいながらも感じ、感謝しつつ最近殆ど
映画はここでしか観ていないというシネコン、ユナイテッドシネマとしまえん
で上映される最終上映に女友達3人で駆けつけました。

何故ここが良いのかというと、比較的人の少ない時間帯にゆっくりと観たい
私が好んで観るのは大抵レイトショーなので、帰りの時間を考慮すると
どうしても車で行ける環境のシネコンがベストなのです。
その点ココは駐車場完備、3時間の駐車サービスチケットが付いているので
帰りの時間を考えず心おきなく車で行けるのが何よりのメリットgood
しかも新しい事もあって綺麗だし、入り口を入ると漂ってくるポップコーンの
香ばしい香りで無性にテンションアップup
気がつくとバケツポップコーンを買い込んで、夜中のやばい時間にムシャムシャ
食べてます・・・coldsweats01

・・と言う事で、この日もコーラとバケツを抱えながら、ネットで事前予約した
席に着くと再びテンションアップup
何でだろう、ライブでも芝居でも映画でも開演前のこの時間が堪らなく好き
なんですよね。

最近必ず流れるマナーCMに続きいよいよ本編スタートです。
私以外の2人は事前に伊坂幸太郎の原作を読んでいて、それなりに
作品の登場人物に対するイメージはあったようですが、私はこの作品での
奥野家のキャスティングがファーストプリンティングされるイメージでした。
結果的にそれはとても良かったように感じます。

設定は地方都市、仙台。
「おくりびと」や竹中直人さんの新作しかり、最近地方発信の映画が元気で
一点集中都市型だった映画製作が分散され、各地方の文化面が活気づいて
すごく意味がある事だなぁとつくづく思います。

物語の軸になる兄弟はこの二人

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(C)2009「重力ピエロ」製作委員会

兄、奥野泉水役に加瀬亮さん、弟、奥野春役に岡田将生くん。
どちらも好きな役者さんだけに、映画が始まってすぐに兄弟の持つ
独特な透明感に引き込まれ、外見も実際もどこも共通点のないはずの
兄弟2人が、本当に生まれてからずっと寝食を共にしてきた強い絆で
結ばれている兄弟のように見えてくるから不思議。
これは良い役者さん同士だけが起こせる相乗効果というか、魔法です。

内容は幸せそのものだった家族に起きた事件から24年後に起きた物語。
24年前の事件当時に夫婦が出した過酷な選択を家族は強い気持ちで
乗り越え、今の彼らが居る。
彼らは自分たちを「最強の家族」だと言い、たった4人の小さいけれど温かで
穏やかな集合体を心の奥から愛していた。
それが数年前に美しかった母(鈴木京香)が不慮の事故で他界。
それでも、穏やかな父(小日向文世)を中心に家族の絆は均等をとれている
ように見えていたが、弟春の心の底ではゆっくりとある思いが増殖し始めていた。
そして仙台市内で起きた連続放火事件を機に、静かだったはずの兄弟の身辺が
にわかに騒がしくなってゆく・・・・
・・といったのが大筋なんですが、多少なりともサスペンス要素のある映画の
あらすじを紹介するのって結構大変ですねsweat01

見終わって思ったのが、人が裁かれる形としてこういう結末があっても良い
んじゃないかということ。
デスノートのような過激さはないけれど、春が親から受けた愛情が深ければ
深いほど、人間が起こした最も卑劣で許し難い行為の象徴である人間を、
自らの手で裁きたいという衝動に駆られるのは分かる気がする。
その裁きたい対象物に春自身も含まれているのが、何ともやりきれない所
だけれど、そうでないと春の中に増殖した負の熱を抑える事は出来ないのだ
ろうなとも思った。
もし春という人間がこの家族以外の環境で育っていたとしたら、もうとっくに
自分を壊していたのではないかと思うくらい、春にとって兄を始めとする
家族の存在は大きい。
余りに突飛すぎて誤解を招いてしまう春の行動も、至ってニュートラルな
兄の存在で中和され、春の中でいつの間にか正当化されているのが
観ていて何だか可笑しい。

意図的にそういう役を選択しているのかは分からないけれど、兄を演じる
加瀬さんは見た目の線の細さとは反対に、結果的にいつも誰かを
支えている役が多いように感じる。
繊細な包容力というか・・上手く言い当てた言葉が出てこないけれど、
作品の中での身の置き方がすごく押しつけがましくなくて品があって良い。
作品の選び方も好きだし、どの作品を見てもやっぱり好きだと思える
数少ない役者さんの一人です。
いつも実年齢よりも若い役を演じる事になる事が多い加瀬さんですが、
今回もそう。
弟役の岡田君とは実際に15歳離れているのですが、スクリーンの中での
2人は何の無理もなくそう見えるのが役者の力、凄いです。

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(C)2009「重力ピエロ」製作委員会

弟役の岡田君は「ホノカアボーイ」に続いて2作目の鑑賞と
このところ続いていますが、それも「ホノカアボーイ」での彼の
魅力に親友のMちゃん始め私もちょっと惹かれてしまった・・・heart04
って事も大きいかな。
まだ彼の作品はこの2作のみですが、受ける印象はやっぱりイノセント。
そういう意味ではこの兄弟2人に共通する惹かれる要素として、
私の中でこのイノセントという点は大きいのかも知れません。

美しい外見だけで選ばれた訳では無いと思っていても、やはり
彼の美しさは春を演じるには必要不可欠。
その上で脆さと強靱さを併せ持った春のキャラクターを演じる事を
求められた岡田君の頑張りは、作品の中で見事に結実していると
思います。
すでに次のクールでのドラマの主演が決まっているとか。
精神的に消耗されすぎない程度に忙しく、これからも良い作品に
恵まれると良いね、岡田君。
今度は地毛のクルクル天然パーマでよろしくね。(だって可愛いから)
この先も母の目線でずっと見守ります(笑)

「俺たちは最強の家族だ」
台詞だけを聞けば、すこし嘘臭くも感じるこんな台詞も、
物語の中の家族が背負った過酷な選択の事を思うと、父親がそう
言い放つのも分かるような気がします。
相手への憎悪が自分自身を支配してしまうのが当然かと思うような
その時に、敢えてそれを受け入れた家族だからこそ胸を張って
そう言い切る事が出来た。

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(C)2009「重力ピエロ」製作委員会

ラストのサーカスのシーンで、空中ブランコから落ちそうになるピエロを
不安げに見上げる幼い春に、ピエロの顔を観てごらん、楽しそうな顔を
しているから大丈夫だよ、と言って優しく春に語りかける母の姿は、
過酷な運命を敢えて受け入れた人間だけが知り得る特別な世界があって
初めて嘘臭くなくなるのだろうとも思えてくる程重い。
エンドロールの前のシーンは少し哀しいけれどひたすら優しく、もうそこには
居ないはずの家族も確かにそこに存在しているのだと思えるような穏やかな
静寂が流れている一幕でした。
この兄弟の行く道がどうかこのまま穏やかであれと、心の奥から願わずには
いられませんでした。

上に貼り込んだポスターの写真(撮影:杉田知洋江)にも共通する
薄いブルーの映像世界。
これがこの映画から受ける色彩の記憶です。
この映画だけに限らず、日本映画のあるジャンルとして透明感のある
サラッとした質感の映像の傾向が今の日本映画にはあると思います。
本作品の森 淳一監督の作品に「Landry」がありますが、これもその
世界観にまるごと包まれている印象を受ける作品で、やはり薄いブルーの
印象が強く残りました。
どこか漫画の世界や現代作家の小説の世界に共通するこの作品の
傾向が生まれたのがいつ頃なのかは分かりませんが、日本映画の
ひとつの大きなジャンルを形成しているのは確かでしょう。
「性」の匂いの薄さというか、乾いた質感の映像世界はある意味
今の日本の一面が反映されているんだなぁとこの作品を見て感じました。

次の映画鑑賞の予定は「ハゲタカ」
ドラマで虜になった作品だけに、採点は厳しいですぞ〜

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2009/03/07

ホノカアボーイを観に行く

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(C)2009 フジテレビジョン/電通/ROBOT


昨日親友のMちゃんの誘いで、青山のスパイラルで開催された映画「ホノカアボーイ」の試写会に行ってきました。
映画「ホノカアボーイ」は原作者吉田玲雄(レオ)さんの実体験に基づいて書かれた小説の映画化で、彼が海外留学の帰路の途中で立ち寄ったハワイ島のホノカアという小さな町で、映画館で映画技師のバイトをしながら過ごした時の思い出を、同じ地球上にこんな場所があるのかと言うほどゆったりと時間が過ぎてゆくホノカアの美しい風景の中で、丁寧に作り上げた素敵な作品です。

所謂観光地としてのハワイではない、静かな人の営みがあるもう一つのハワイ。
もしかしたらハワイに特段興味のない私なので、もし今回こうして試写会に誘われなければこの映画を見る事など無かったかも知れません。
それでも気になったのはキャスティングの良さと、映画の陰の主役とも言える美味しい料理の数々でした。

主役は岡田将生くんという20歳の役者さん。
彼の作品は今まで1本も観た事が無いので彼の演技を見るのはコレが初めてでしたが、以前好きな役者さんの一人でもある加瀬亮さんと共演した映画「重力ピエロ」の予告編を観て、その人目を引く綺麗な容姿と同時に、スクリーンの中での存在感がとても印象的だったので名前だけは記憶していた役者の一人でした。
プロフィールを読むとそれほどキャリアは長くない方のようですが、恐らく天性の勘の良さなんでしょうね。多少素の彼の要素も入っているようでしたが、彼が演じるちょっと不器用で人が良く繊細な主人公レオはとても魅力的で、男の子特有の可愛らしさや真っ直ぐさを自然に表現していて、芝居に品がある気持ちの良い役者さんだと感じました。

他にも、主人公レオに沢山の美味しい料理を作ってくれるチャーミングなおばあさんビー役の倍賞千恵子さん、レオのバイト先の映画館の食いしん坊の女主人に松坂慶子さん、町に住む日系人の老人たちとして登場する喜味こいし、正司照枝という芸達者な私好みのキャスティングとキャラ設定に映画の冒頭から引き込まれ、作品を見終わった後にもずっと心に残る心地よい余韻を彼らは私に授けてくれました。

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(C)2009 フジテレビジョン/電通/ROBOT


この作品のテーマソングを歌っているのは小泉今日子さん。
この日は上映の前に小泉さんと曲を作った斉藤和義さんのライブがあり、ライブの後登場した原作者の吉田さんと、主役の岡田くんの前で作品に関する思い出を少し話してくれました。
彼女は原作者の吉田玲雄さんとは昔からのお友達で、彼がホノカアで生活していた時期に陣中見舞いと称し1週間ほどホノカアに滞在したそうで、その時に実際にビーさんの料理を食べた事やホノカアの町の印象を懐かしそうに話されていました。
誰ひとり悪人などいなく、家に鍵なんて掛ける事など考えもしない穏やかな空気に包まれたホノカアの町は、小泉さんの訪れた十数年前と何も変わらずに今でもそこにあるそうです。

登場する老人の方々の多くは、戦争や開拓の苦労を経験し多くの苦難を乗り越えてきた世代の方達ですが、その誰もがトコトン優しく愛らしいのです。
その姿を観るだけで愛おしさのあまり何度も涙してしまいました。
それは悲しいだけじゃない幸せな涙でした。

作品のもう一つの主役は沢山の美味しそうな料理でした。
最初に出てくるのがマラサダというハワイの揚げパン。
元はポルトガルのお菓子らしいのですが、ビーさんが作るマラサダは松坂さん演じるエデリの映画館の売店で売られていて、それをこの世の至福とばかりに本当に美味しそうに松坂さんが食べるのです。
その美味しそうな様は、それほどお腹のすいていなかった私でも思わず喉を鳴らせてしまうほどでした。最高です、松坂さん!
他にもロールキャベツにお魚の煮付け、スパムおむすびなどのハワイのソウルフードの数々・・・おかげで見終わった時にはすっかり腹ぺこになっていました。

あと良かったのは音楽。
気になってエンドロールを見たら青柳拓次のクレジットが。
青柳さんはリトルクリーチャーズのメンバーで、時々役者さんとしてもスクリーンで拝見する方ですが、やはりこの方の才能は音楽に結集しているのだとこの映画をみて再確認しました。
今でも彼らの音が好きでipodにも入れてよく車でも聞いているのですが、バンドブームだった彼らのデビュー当時に新宿のミロードのイベントスペースに足を運んで、彼らの生音を聴きに行った事を思い出しました。
試写の最中に私の後ろに座っている人が音楽が流れる場面になると、リズムを取っているのか貧乏揺すりの様に身体を動かしている振動が伝わってきて何だろ??って思っていたところ、Mちゃんに後で聞いたら私の後ろに青柳さんが座っていたらしく、それを聴いて振動の理由がよ〜く分かりすっきりしました(笑)

「どうして僕たちは何かを失って、大人になるんだろう。」

これはこの作品につけられたコピーです。
色んな事の積み重ねの様な長い長い人生の余韻を生きている人生の先達たちから、沢山の愛情と深く優しい言葉をもらって主人公のレオは大人への1歩を踏み出します。
本当の豊かさとはこういう事なんだろうと心の底から思いました。

良い映画です。
出来れば映画館で、もし見られなかったらDVDでも良いですから観て下さい。
数字じゃ量れない人間の真の豊かさがこの映画にはあります。

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2008/11/30

アジア映画スパイラル

先月渋谷で仔仔の「僕は君のために蝶になる」を観て以来というもの、ちょっとしたアジア映画スパイラルに嵌っています。

アジア映画と言っても専ら中国・台湾映画ばかりで、要は観た作品に出ていた気になる役者の作品を次々に観てゆくだけの話なのですが。

まずは、仔仔目当てに観に行った映画「僕は君のために蝶になる」に仔仔の父親役で出ていたヨウ・ヨンさんの演技に惹かれ・・

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次に彼のプロフィールを知ろうと開いた、「僕は君のために蝶になる」のパンフに書かれていた公開中の「レッドクリフ Part1」を観に行き・・

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ヨウ・ヨンさん目当てで観に行った「レッドクリフ Part1」では、友人イチ押しのフー・ジュンの格好良さに思わず納得!と言うことで、彼のフィルモグラフィーの中から一番気になったバイセクシャル役を演じたという映画「藍宇 LAN-YU」をTSUTAYAで借り・・・

Lanyu

そして今度は、映画「藍宇 LAN-YU 」でタイトルロールを演じた俳優リュ・イエの繊細な演技が気になり、その彼が出ている最新作「王妃の紋章」を借りるべくTSUTAYAに走りました。


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※上の写真右端のぐったりしている第一王子がリゥ・イエ

こうなって来ると、まさにアジア映画スパイラル!

今まで邦画以外のアジア映画を殆ど観たことの無かった私にとっては、まだまだ開拓の余地のある宝の山のような分野なので、それはそれは面白い位に嵌ってしまいました。

中でも色んな意味で掘り出し物だったのは「藍宇 LAN-YU」。
実はこの作品、日本ではビデオタイトルが「情熱の嵐」という思わず西城秀樹の歌声が頭の中を駆けめぐってしまいそうな(古っ!!!)邦題を付けられてしまっているので、TSUTAYAで見つけた時は思わず吹き出してしまいました(笑)coldsweats01
内容的には情熱といっても激しさよりも静かな熱という方が相応しい切ない話で、元はネット小説だったものを映像化したようです。
当時の中国本土ではバイセクシャルを取り上げた内容が物議を醸し、結局最後まで公開を見合わせられたらしく、逆に比較的「性」のあり方に寛容な台湾やカンヌなどの海外の映画祭で高い評価で受け入れられたという作品です。(「ラスト・コーション」の主演女優タン・ウェイのCMの一件でも判るように、今も当時と大して変わらないとは思いますが・・)

日本映画でも、「きらきらひかる」など同性愛を取り上げた作品で好きな映画はあるのですが、欧米作品以外でゲイムービーを観たのはこれが初めて。
「どうしてあの時お前を手放したのだろう・・」など定番の甘い台詞はあるものの、全体的にはドロドロせずサラリとした印象の関係が描かれています。
決して少女漫画に出てくる様な美男同士の関係が描かれている訳ではありませんが、大人で分別のある二人が互いに相手を深く思いやる姿は、観ているだけで胸の奥が痛くなる思いがします。
台湾のアカデミー賞とも言われる台湾金馬奨(第38回)で、主演の二人が最後まで主演男優賞を競ったという逸話を残した程、力のある俳優たちだけに2人の競演は本当に見応えがありました。

それに引き替え、そのリゥ・イエ目当てで観た「王妃の紋章」は人間のエゴの見本市のような内容に少々げんなり・・
「レッドクリフ」にしても「王妃の紋章」にしても、内容はギリシャ悲劇やシェイクスピアの戯曲そのもの。
「レッドクリフ」の一人の女性の美しさに惹かれ、力ずくで奪還せんとした事が大きな戦へと繋がっていく所はギリシャ悲劇「オレステス」だし、何とも不条理な家族の殺戮劇が繰り広げられるのはシェイクスピアの「タイタス・アンドロニカス」との類似点を感じました。
いずれにしても、これ程までの激しい感情のぶつけ合いは日本人の持つ生理にはないんじゃないかなぁ?どうだろ?

最後の「王妃の紋章」の次は・・と言うことで、第二王子役のジェイ・チョウ繋がりで「言えない秘密」を観たい!とを検索したのですが、無情にも私の家の近くでは軒並み公開終了。
これはDVD化されるのを大人しく待つしかないか・・weep

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そして、これらのアジア作品を観ながらついついやってしまう事は、「この作品なら仔仔に合うのはどの役だろう」って考えるプチ妄想。
「藍宇」ならば当然藍宇役だろうし(・・となると相手は誰?)、「王妃の紋章」だとやっぱり心優しく繊細な第一王子なのかしら。

ある意味結果的においしい第三王子役は、TBSドラマ「愛なんていらねぇよ、夏」の奈留のイメージからか、どうも藤原君(彼の15歳の時限定だけど)を重ねてしまったわ。
こんな事考えていたら、「愛なんて・・」を久々に観たくなっちゃったなぁ。
あれっ?これもスパイラルの一種なのかしら?

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2008/11/20

三国志初心者「レッドクリフ」を観に行く

クラスに必ず一人くらいは三国志オタクって居るよね~?!
・・って呑んでいてオタク談義になった時に、誰かがそう言い出して妙に納得した記憶が私にはあります。
おそらく年代的にNHKの人形劇の影響が大だと思うのですが、確かにクラスに一人は三国志にやたら詳しい奴がいました。
個人的にお勉強としての歴史は嫌いではないのですが、戦国史が苦手というか所謂国盗り合戦に一切の興味が沸かず、中国史はおろか日本史でも戦国時代はスルーしてきてしまった私が、キャスティングの良さに負けてジョン・ウー監督作品「レッドクリフPART1」を観てきました。

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お供の友人は、F4のJAPAN TOURにも来てくれた親友Tちゃん。
彼女は試写会で一度レッドクリフを観ているにもかかわらず、その余りの面白さに一気に三国志に嵌り、私が行く時は必ず一緒に行くから!というので付き合ってもらい今夜2度目の鑑賞となります。
三国志については右も左も分からない私には強い味方で、私の「三国志って史実なの?」という三国志オタクが聞いたら鼻で笑われそうな初歩的な質問にも懇切丁寧に答えてくれるし、「誰が格好いいの?」というミーハーな質問にも笑顔で答えてくれる良い奴です。

前置きはさておき、いきなり結論から言うとすごく面白いです!・・と同時に、私のような初心者には情報量が多すぎて判りづらい面もなきにしもあらず・・という事で、後日一人で「レッドクリフ吹き替え版」を観に行くことに決めました。
複雑な抗争の構図を理解したり、登場人物の背景を理解する事も、吹き替えならばスッと頭に入ってきて全く煩わしくないし、何たって同じアジア人ですものあの顔で彼らが日本語を話していたって全く違和感がないはずでしょ。
でも、日本語は全く問題のない金城さんや中村獅童さんも別の人の声に吹き替えられてるのかな?う~ん・・・逆に気になる!

でも、どうしても吹き替えはイヤ!って人も居るでしょうから一応フォローしておくと、字幕版でも最初に争いの構図の説明を図解入りで丁寧にしてくれるので、十分に話の流れは理解できますよ。
単に私の理解力がないだけですのでご心配なく~♪

お話しは要は国盗り合戦で、しかも軍力に相当の格差のある軍同士の戦いなので、そりゃぁ判官贔屓の日本人なら観ていて面白いし、PART1を見る限りは勧善懲悪の構図になっているので否が応でも諸葛孔明と周瑜が軍師を務める側を応援したくなる訳で、観ていて明解で気持ちは良いですよ。
そしてなんといっても、彼らが軍師を務める側の君主の一人が「僕は君のために蝶になる」で仔仔のお父さんを演じていたヨウ・ヨンさんですのも、そうなりゃそっちを応援しちゃうのも言わずもがなでしょ?

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戦の勝敗よりも一般の民の命を優先する素晴らしい君主、ヨウ・ヨンさん素敵です。



トニーファンのTちゃんは試写会で見事に2人の役者さんに堕ちたそうで、上映前から熱く語られたのがこの2人。
まず一人目は孫権役のチャン・チェン。

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私に仔仔作品を無理矢理見せられるまで、台湾の役者さんの濃いめな顔立ちが苦手だったTちゃんでしたが、気がつくとF4のライブに参加した成果なのか、濃いめお顔もすんなり受け入れられるようになり、「ブエノスアイレス」を始め「カップルズ」などの作品を以前から観ていたはずの彼の美しさに初めて気付かされたと言っていました。
彼はF4ファンなら必ず誰でも知っているであろう「ホスピタル」で最終的に連大病院の院長に上り詰めるシュー・ターミン役のチャン・グォチューさんの息子さん。
仔仔ファンならMarsの零のお父さんといった方が早いかな?
繊細で悩める若き君主といった役どころで、もし仔仔がこの中でやるとしたら年齢的にも孫権かなとか思って観てました。

そしてもう一人は趙雲役のフー・ジュン。
もうこの人の役は文句なしに格好いい!!冒頭はこの人のザ・男祭り!!!的な格好良さ全開で、戦場に絶対に欲しい男です。もし戦場で花いちもんめをして「あの子が欲しい♪」状態になった時は確実に私は彼狙いです(笑)

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君主に忠実で、戦わせればむちゃくちゃ強い!!気は優しくて力持ちタイプ。
しかも動体視力良すぎ!って位に自分に向かってくる槍を素手で掴むわで、友達が惚れちゃうのも無理はないなぁと納得の格好良さでした。
この人「インファナルアフェア」でも良い役なのよねぇ~(必見)
顔は赤井英和や大和武士似のボクサー顔(?)なんですが、ガタイは良いし確かに一押しです。

私の贔屓はやはりトニー・レオン。
インファナルアフェアで、まんまとあの子犬のような濡れた目にやられた一人です。
カメレオン俳優の名に違わず、今回も見事にトニーならではの周瑜像を作り上げていました・・って言っても、なんたってわたくし三国志初心者ですのでアテにはなりませんけど。

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パンフからの受け売りですが、本などで描かれる周瑜像は「心が狭く、人として器の小さい人物」だそうで、そこで監督からは「心が広く、義理人情に厚い、ロマンチックな愛妻家」という周瑜像を作り上げるように言われたトニーは、それは見事に悠然としていて人格者の軍師、周瑜像を創り出し、見終わった後は私にとっての周瑜はトニーの周瑜像が基本形になりました。

そしてこんな私でも唯一名前を知っていた諸葛孔明を演じたのは金城武さん。
元はと言えばこの役はトニーがキャスティングされていて、周瑜役はチョウ・ユンファだったのが、一連の降板劇にていつの間にか回り回って金城さんになったというこの大役。

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友人曰く、この役でここまで若い俳優さんを起用したのは稀だとか。
どこか浮世離れしていて、文武何事にも長けているカリスマ軍師なんて役者にとってはプレッシャーだったろうに・・と観ていて思ってしまいました。
私は他の役者さんの演じる諸葛孔明は見たことがないので、比べることなど出来ないし評価するのも難しいのですが、金城さんの持つ品の良さと清潔感が高潔な軍師といった印象を持ちました。
金城さんの諸葛孔明には不満などないのですが、やはりこうなると正直トニーの諸葛孔明も見たかったなぁっていうのが本心かしら。

そして女性陣。
作品自体完全に男のドラマなので、女性陣は単なる添え物だろうなぁと思ったらとんでもない。思いのほか良かったです、リン・チーリン。

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元々、モデルとしては少しシャープさに欠けてイマイチだなぁと思っていた方だったのですが、女優としての彼女はもう美しいことこの上なし!
とにかく憂いのある表情は綺麗の一言、文句の付けようがございません。
モデルなので174と背は高いのですが、古装がとてもよく似合っていて初めての映画出演が時代劇で正解だったなと思います。
この美しさが戦を生んだというのも、十分に頷ける完璧な美でした。

この方、レッドクリフの記者会見で記者からの意地の悪い質問にも、胸のすくような応対をしていて質問した記者も何も返せず、まさに才色兼備とはこの事だなぁと実感させてくれる頭の回転の良さを披露してくれていました。ポイント高し!!
あっ・・余談ですが、観ていてこの人って木之内みどり(竹中直人さんの奥様です)と真行寺君枝を足して2で割った感じだなぁ・・とか思ったりもしたのですが、分からないですよねぇ〜(笑)


もう一人の女優さん。
チャン・チェン演じる孫権の男勝りの妹を演じるヴィッキー・チャオ。

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子供のようにクリクリした大きな目を輝かせながら嬉々として戦に参戦するお転婆娘は見ていて痛快!
彼女の奇襲が戦の口火を切る場面は、一瞬にして胸がすく名シーンかと。

本編が終わってエンドロールの後に来年4月に公開されるPART2の予告編が流れましたがこれがまた面白そう!
PART1のラストもえっ!!ここで終わるわけ??!!と思うような場面で終わるものだから余計に期待は募るし、4月と言わず1月にでも公開してくれと熱望しちゃう程です。

来年の4月にはヴァネスも出演する(中村獅童さんの役を演じるみたいです)アンディ・ラウ版三国志も公開されるし、相当な三国志まつりが開催されそうな予感が。

何と言っても余りにも三国志初心者ゆえ、ストーリーがどうだの語る資格はないので役者さんのインプレッションだけですが、まだ見ていない方は三国志の知識が無くとも十分に楽しめますし、これは絶対にスクリーンで観る映画ですのでいざ映画館へ!!

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2007/01/21

映画「それもでボクはやってない」

「それでもボクはやってない」

心を動かされる映画だった。
周防監督がどうしてこの映画を作ろうとしたのか、そのきっかけとなった衝動が見終わった時ストレートに伝わってくるのである。
「憤り」なんて生易しいものではない、余りにも不条理な法のシステムに対しての圧倒的な「怒り」が、11年ぶりに映画を作ろうと監督を立ち上がらせた原動力なのだ。

『十人の真犯人を逃すとも一人の無辜(むこ)を罰するなかれ』

※無辜(むこ)= 「辜」は罪の意罪のないこと。また、その者。(大辞林(三省堂刊)参照)

法曹界に足を踏み入れた弁護士、検事の卵たちが誰しも一度は胸に刻むはずの法の上の格言である。
映画の冒頭、目の前のスクリーンにこの一文が静かに映し出され観客の目に飛び込んでくる。
法に携わる者が決してやってはならない事、それは冤罪を背負う人間を生んではならないと言う事。
この誰から見ても当たり前の事が、決して当たり前の事では無いのだという日本の裁判が置かれている現実をこの映画は観る者に突き付けてくる。

今回の試写の前に、試写会参加者全員に試写の後に主人公は「有罪」か「無罪」かをジャッジするという条件が与えられた。だけど、事の次第を初めから観ている観客(私)が、「やっていない」のだという主人公と私たちだけが知っているたった一つの真実を前に、どうずれば「有罪」のジャッジが下せるのだろうと私は思った。
確かに満員電車の中で疑わしき行動をとった主人公の配慮の無さを責める事も出来るかも知れない。
でもこの映画はそんな事を質すために問題を提議している訳ではないのだ。
疑わしいという曖昧な要因だけで、たった一つの真実を掘り下げて検証しようともしない、お役人体質の裁判の流れに「憤り」を越えた「怒り」を覚えた。

過去の周防作品には無いシリアスな作風に、観る人の中には一瞬違和感を感じる人も居るかも知れない。
しかし今回取り上げた日本の裁判制度というテーマは、そのまま何のデフォルメもせず徹底的にリアルに映像として捉えるだけで、余りにも滑稽でどこかズレていて思わず引きつった笑いが込み上げてくる要素で溢れている。
それが乾いた笑いとして作品に散りばめられ、それが周防作品らしい監督の一つの視点として作品に現れている気がした。
過去の周防作品との共通点を探す事など全く意味のない行為なのだが、その位今回の作品はエンターティメント性を昇華させた前作を含む過去三作とは一線を画するものだった。
かといってリアル一辺倒のドキュメンタリー映画とも違う。
確かに映し出されているモノは現実と寸分違わない「嘘」を徹底的に排除したリアルだけど、そのリアルを知ってしまった時の監督の驚きや心の動きが映像として捉えられている事が、観ている者の意識を息をつかせない程最後まで捉えて離さない。
終わった時には今まで閉じられていた興味の扉を閉じ開けられた後のような疲れと、決して消えないエネルギーを体の中に注がれたような感じが残った。

・・と、ここまで書いて録画したままになっていたスカパー!でやった周防さんのインタビューと、メイキングを観た。
その中で周防さんが映画監督に必要なものとしてこんな事言っていた。
映画監督が映画と撮る時に最も大切なのは、この事を映画にしたいという「切実な思い」である。
その思いが切実であれば、それは映画のスタッフに伝わり、やがてその思いは作品に注ぎ込まれ作品となり、それを観た多くの人に伝わって行く。
切実な思いが映画作りへの原動力になるのだと断言するだけの監督の思いを「それでもボクはやってない」という映画は十二分に伝えてくれる。

余談だが、私はかつて周防監督にその思いを伝えられる立場のスタッフとして2本の周防作品と関わっていた時期がある。
私が初めて映画の世界に飛び込んだのも周防さんの作品だった。
まだ経験も浅く何も分からない私は、必死に現場で出来る事を毎日こなすだけで精一杯で、監督の思いを的確に受け止められたかどうかは分からないが、目を輝かせながら本当に楽しそうに取り上げたテーマについて話す監督の姿に、触発されるように分からないなりに懸命に、でも楽しみながら映画の現場で毎日を過ごしていた記憶がある。
映画が始まる前にスタッフ一同で、監督と一緒に国技館に相撲を観に行った時、目の前で行われていた弓取り式を観て「かっこいいかも」といった私に、「そうか、若い女の子(当時はまだ十分若かったので・・)にもそう映るのかぁ」と嬉しそうに言っていた事を今でもハッキリと覚えている。
まだ若貴ブームの波が来る前で、確か千代の富士が貴乃花に破れ引退を決めた日だったはずだ。

その後、その縁で周防さんともゆかりのある伊丹監督の現場にも2度参加する事が出来たのは、貴重な経験だったと心から思う。
今回周防さんが痴漢冤罪事件から日本の裁判制度を取り上げ映画にすると聞いた時、伊丹さんが生きて居られたら伊丹さんもこの問題に目を向けていたかも知れないなぁと思った。
もちろん二人の監督の視点はそれぞれ違うもので、出来上がる作品は全く違うものになるだろうが、どちらも実在する権力という実体の見えない巨大で不気味な「力」に真っ当な好奇心と怒りを持って作品作りをする監督なので、何となくそんな気がした。
伊丹さんの次回作を観る事はもう出来ないが、周防監督という一人の監督の視点の中に伊丹さんの遺産が残されているような思いを感じずにはいられなかった。(間違っていたらごめんなさい<(_ _)>)

「それでもボクはやってない」

昨日1月20日、全国公開された。
この映画の中で起きている事を、本当に多くの人に知ってもらいたいと心から思う。
日本という国に生きている者ならば、決して他人事ではない現実が此処には描かれている。
無理矢理結びつける訳ではないが、この映画を見終わった後にNODA/MAP「ロープ」の中で繰り返される「あったことをなかったことには出来ない」という宮沢りえちゃんが叫ぶ台詞が私の中で何度もリフレインしていた。
加瀬亮くん演じる徹平は何度も訴える。
「だって・・ボクはやってないんだ・・!」と 。
やっていないという紛う事も無い真実を他人の判断で「あったことに」するなんてどう考えてもおかしいのだ。
無かった事をあった事にもしてはいけないし、いまこの日本で行われている「あったこと」に目を向けずに「なかったこと」にもしてはいけないのだ。

真実はたった一つ
だからこそ彼は戦うのだ。

その戦いを観に行く事を躊躇している暇はないと思う。

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2007/01/10

「それでもボクはやってない」を観に行くということ

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「それでもボクはやってない」
これは周防監督の11年ぶりの新作映画のタイトル。
周防さんが久し振りにメガホンを取ると言う事は、色々なメディアで取り上げられたせいか、そのニュースを見て知りました。
新作のメガホンを取るという事を聞き、私が心を動かされ、作品の出来を心から期待してしまう監督は「太陽を盗んだ男」の長谷川和彦監督と周防監督の二人くらいかも知れません。

そして明日、この作品の試写を観に行きます。
普段自分からすすんで試写会に応募したりする事など滅多に無いのですが、この作品だけはどうしても早く目にしたかったのです。
それというのも、少し前に周防さんがゲスト出演していたNHKのトーク番組の中で、周防さんの本作品を語る姿が、今までの周防さんとは比べモノにならない程熱く激しいのを見て、周防さんをここまで熱くさせるその熱さの根底に、「とてつもない怒り」を垣間見たからでした。

過去の周防さんの作品から感じるのは徹底した好奇心です。
自分の知らない世界が世の中にはまだまだあると言う事への「好奇心」が常に作品作りの衝動の根底にあり、それを徹底的に調べ尽くして作品に注ぎ込み、「ほら、知らなかったでしょ?こんな面白い世界」というのが「ファンシィダンス」から「shall we ダンス」までの作品から受ける印象でした。

そのトーク番組の中で周防さんは、目の前のアナウンサーが「それでもボクはやってない」という作品タイトルや、平成21年度の5月までに導入される予定である「裁判員制度」を「陪審員制度」と言い間違えた時、今まで見た事無い程敏感に反応し、その間違えを鋭く指摘していたのです。
報道やテレビというマスを相手にするメディアの携わる者として、画面を通して伝わる事は正確なモノでなくてはならないのだと言う、周防さんのすごく真っ当で、すごく真っ直ぐな「視点」に私は強く共感しました。

そしてある日、ココログのトップにリンクされていた「それでもボクはやってない」の試写会のバナーを見つけ、すかさずクリックをしてブログを持っている人限定の試写会に応募しました。
そして年末年始の忙しさに応募していた事さえも忘れかけていた三が日が明けた4日に、写真のハガキが届いていたのです。

そのハガキには「ココログ×それでもボクはやってない コラボ企画 『それボク』的みんなで審判試写会」と書かれていて、試写会終了後に加瀬亮くん演じる主人公の「有罪」or「無罪」の判決の投票と、ブログに映画の感想を書き周防さんのブログにトラックバックするという条件の説明が書かれていました。
偉そうですが、とても良い企画だと思いました。
ブログの特性を生かして多くの人と意見を交わす今回の企画は、一人でも多くの人が今起きている日本の裁判の現状を知り、これから課せられる「裁判員制度」にも一人の国民としてまっすぐに目を向けるきっかけになるはずです。

先程帰宅してすぐに録画していたスカパー!でやっているこの作品のメイキングを見ました。その30分のメイキングの最後に周防さんの口から出たある言葉に、私は思わず強く反応してしまいました。
この事については明日の試写会を見た後、このブログで書く感想の中で伝えようと思います。

一緒に行くのは山本君ファンの従姉妹のSちゃん。
もちろん初日ではないのでキャストが顔を出すはずはありませんが、従姉妹は「お年玉だぁ〜♪」と大喜び、本当に誘い甲斐がある従姉妹です(笑)

※タイトルに対する監督の思い入れを知っていながら、間違えたままの状態で数日放置してしまいました。ごめんなさい<(_ _)>

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2006/07/06

DEATH NOTE

昨日の夕食の時にCMを観ていたら無性に観たくなり、豊島園まで車を走らせ「DEATH NOTE」を観てきました。
なぜ豊島園?と思われるかも知れませんが、この映画館も昨今のシネコン建設ラッシュの勢いに押されて出来た新しい映画館で、都心の映画館と違って駐車場も完備しているし、何よりもキレイ!どうせ観るならばキレイで快適な環境で・・と言う事で、21;45からの最終上映を観てきました。

プロモーションが強力だった事もあって、冒頭のシーンは既に繰り返し目にした場面の連続でしたが、ものの数分でテンポ良く展開して行くストーリーにグイグイ引き込まれ、最後の最後まで飽きさせる事のない、あっと言う間の2時間余りでした。
単なる娯楽作品のつもりで観に行った私は、スクリーンの向こうから投げ掛けられた人間の道徳観を揺るがす問題提起を受け止め、見終わった後も延々と見えない答えを自問自答しましたが、全く答えは出ませんでした。

また皮肉な事に、昨日は北朝鮮のミサイル発射の一件があった事もあり、余計に複雑な思いだったのかも知れません。Cast_img01もう一度観に行く予定なので、もう一度冷静に作品に触れた後に考えたい気がします。
あぁ、もっと気楽に観られると思ってたのになぁ・・
しかし藤原くんが演じる役って、バトルロワイヤルといい、DEATH NOTEといい、どうしてこうも究極の岐路に立たされるんでしょ・・
私はLよりも演じ甲斐があるように感じるのですが、やはりLの方が面白いのでしょうか。

でも映画としては純粋に面白い作品ですので、まだの方は是非!!

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2006/02/13

足利義昭 as 三谷幸喜

今夜放送された大河を見てびっくり!
今回の大河に三谷さんが足利義昭の役で出られる事は知ってはいたのですが、
あのようにチキンと演じられるとは・・!お見それ致しました!!
そりゃぁ、もちろん脚本家三谷幸喜が役者をやるという視点で見た上での評価なので、多少演技に関する評価のフィルターは甘くなっていると思います。
でも正直なところ、演技に関してはそれほど期待はしていなかったんです、私。(偉そうにごめんなさい、三谷さん)
三谷さんが過去に舞台に役者として出ていた事も知っていたし、インタビューなどで今回の出演に関して、いつもの調子で並々ならぬ自信を持たれている(笑)発言を聞いてはいたのですが、それでも三谷さんがあそこまで芝居として見られるレベルの演技が出来るとは思いもしませんでした。(本当に失礼しました!!)
何だか「Wの悲劇」の時の蜷川さんを思い出して(古っ!!)、演技をしている演出家の姿を違和感というか新鮮というか・・何だか不思議な気持ちで見ていました。

脚本を担当した大石さんに、大石さんの脚本に「そ・・そ・そっ・それは!」という台詞があったら、一字一句変えることなく、「そ」の数も完全に同じにして台詞を言わないといけないと思い、そのようにしたのだと言っていたので、(あぁ・・この部分だったんだ)とそれらしき台詞に大受けしてしまいました。でも高貴な身分の人間の空気は十分に漂わせていましたよ〜、三谷さん。

今夜の大河は役者層の視聴率だけを集計したら、相当高視聴率だろうなぁ・・きっと。

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2006/01/19

この映画に感謝!

クリスマスの「12人の優しい日本人」に始まり、正月時代劇「新選組!!」、古畑ファイナルと年末年始にかけてずっとお世話になりっぱなしの三谷さんですが、その締めとも言うべき映画「有頂天ホテル」を今日見てきました。
いやぁ〜、何とも幸せな2時間でした!!
映画を見てこれ程までに満たされた気持ちになったのはいつ以来だろう・・と言う位の満足度の高さでした。作品のクオリティに役者が見事に応えていて、最高の相乗効果が形になっているのがこの作品です。早くも私にとっての今年の一本が出てしまったっていう感じです。

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2005/11/02

ご活躍で何よりです。

この間の日曜日から月曜にかけてテレビの電源を入れたら、偶然にも立て続けに新選組!キャストのお仕事振りを見ることが出来ました。
「とくダネ」の竜也くん密着は偶然ではないのでさておき、まずは日曜日の午後、朝刊のテレビ欄に珍しく昼間のドキュメンタリーをおすすめ欄で大きく扱っていたので、それにつられて見てみたのです。番組名は「NONFIX」というドキュメンタリー番組、内容は築地の聖路加病院の看護士の女性から見た訪問看護の現状で、高齢者の患者さんが家で家族に看取られて死ぬ事とは・・というシリアスなテーマでした。
我が家の両親も私と同世代の親からすると比較的高齢で、扱われている問題も決して他人事では無く、
近い未来の自分の姿でもあるので、関心も大きかったのです。それだけに軽い気持ちではチャンネルを合わせることが出来なかった私の耳に聞こえて来たのは、柔らかい少し高めの聞き覚えのある声でした。始まって少しするとナレーションのクレジットが「語り・堺 雅人」とテロップされました。
堺さんのナレーションを聞いたのはこれが初めてでした。
本職のナレーションの方と違うのは、役者さんの場合その人のパーソナリティを少しなりとも知った上でその声を聞いているので、この映像を見ながら堺さんがどんな気持ちで言葉を続けているのかが、何となく伝わってくる感じがするのです。
番組の中で二人の方が、家族に看取られながら相次いでお亡くなりになった時も堺さんの声でその事実を告げられたのですが、声の主を知っていると言うだけでその心の震えが伝わり、共有するものの大きさが違う気がしました。使い古された言葉で言えば「癒される」というか、決してウェットな声ではないのですが、冷静に静かに目の前のあるがままを伝える堺さんの声が余りにも穏やかなので、聞いていてとても安心するのです。
「新選組!」は声の良い役者さんが多く、伊東甲子太郎役の谷原さんもお忙しくなる前は良くナレーションなどの声のお仕事で名前を見掛けたのですが、堺さんもこれから声のお仕事が増えそうだなと思いました。
それに続いて土方役の山本さんが「リトルショップオブホラーズ」の宣伝で色々と顔を出していて、その中でも「東京フレンドパーク」に共演の上原多香子ちゃんと出ていて、これまたいつもの勝ち気全開で完璧っぷりを披露していました。
ただ、どうも副長は綺麗な女の子の横にいると必要以上にいい男を前面に出してしまうのか、私の好きなちょっと情けない(失礼!)我が道を行く感じの可愛い部分がナリをひそめてしまったのが個人的にちょっと残念でした。運動神経は良いわ、頭の回転もとびきりだわでもうデキスギ君かいっ!って位に2枚目過ぎました(笑)
出来れば竜也君あたりと出てくれると、思い切り素の副長が見ることが出来て楽しいのに〜っと思ってしまいました。「竜也!ふざけんなよ!」とかムキになっているのとか見られそうで楽しそうじゃないですか?
「新選組!」も終わってから一年近く経とうと言うのに、今でも彼らの顔を見ると何処か居心地の悪そうにしっくりしないという目で見てしまうのは私だけでしょうか?
それぞれの居場所に帰っていったのだなぁ・・と時折感傷的な気持ちで彼らを見てしまう癖が抜けないんですよね。収録終了後、毎日泣いていた源さん程じゃ無いけど、その100分の一ほどのセンチメンタルな感情は一生抜けない気がして仕方がありません、私。
【きょうのるーたん】
DSC00007そんなおセンチな時は、のんきなこの方の顔でも見て気分転換。急に寒くなったこの数日で、るぅたんもすっかり冬仕様です。このまま朝まで、同じ体勢で一ミリも動かずって事もしばしば・・・

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